1月24日の読売新聞夕刊に、
「インドネシアなどで せき止めシロップで300人死亡~有害物質混入」
という記事がありました。その見出しを見て思ったのは、
「せき(咳)止め」
と言う場合の「止め」は、
「どめ」
と「濁る」のに、
「ダムでせき止め」
と言う場合の「止め」は、
「とめ」
と「濁らない」のはなぜか?ということでした。
複合語の「後ろ」の部分の「動詞から名詞になった単語」が「濁るか・濁らないか」ということです。
思いついたのは、複合語の「前」の部分の単語が、
「名詞」だと、「後ろの単語」は「濁る」
「動詞の連用形」だと、「後ろの単語」は「濁らない」
というのはどうでしょうか?
つまり、「ダムでせき止め」は「せく」という「動詞の連用形」に「止める」という動詞の連用形が名詞化したものがくっついていると。だから濁らずに「せきとめ」になっている。複合語で、後ろの単語の頭が濁ると、後ろの単語(動詞)の意味が伝わりにくくなるということでしょうか?
「咳止め」は「咳」という名詞に、「止める」という動詞の連用形の「体言化」した「止め」がくっついて濁って「せきどめ」。
「〇〇どめ」という単語は、
「咳止め」「通行止め」「札止め」「足止め」
をすぐに思いつきましたが、『逆引き広辞苑』で「どめ」を引いてみたところ、
「煽(あお)り止め」「淦(あか)止め」「足留め」「荒れ止め」「痛み止め」…
など「85語」出て来ました。
一方、濁らない「〇〇とめ」は、「87語」。その中で「〇〇勤め」「〇〇乙女」などを除くと、
「鋳(い)止め」「馬留」「書き止め」「書留」「仮の差し止め」「記事差し止め」「黒桟留(くろさんとめ)」「現金書留」「駒留め」「差止め」「桟留」「白桟留」「袖留」「取留め」「喉留め」「花留め」「早留」
と「17語」。重複もあります。ある程度、限られた単語のようですね。
ともに漢字は「止める」と「留める」がありました。
そしてきょう(2月2日)の夕刊を見ていると、
「瀬取り」
という言葉が出てきました。「セドリ」と読みます。濁ります。ロシアの船が入港を拒否されているので、海上で小船に荷物を積み換えて荷揚げしているという記事で、その行為を「瀬取り」と言うのです。これは以前、書いたような。(検索しても出て来ないけど)
これとは別に、本の「セドリ」というのもありますよね。これは「仲介業」的な感じの仕事。
ともに「ドリ」と濁ります。「瀬」が「名詞」だからかな?
それと今晩放送のうちの番組で、
「見取り図の間取り図」
というのがあるみたいですが、これは芸人の「見取り図」が、国内外のいろんな家の「間取り図」を見て取材するという内容らしいです。まあ、あんまり「間取り“図”」とは言わず、普通は「間取り」だと思いますけど、「見取り図」に合わせた「語呂合わせ」でしょうね。これって、
「見取り図」=「ミトリズ」
「間取り図」=「マドリズ」
で「見取り」は濁らず「ミトリ」、「間取り」は濁って「マドリ」。これは「取り」の前が、
「見取り」=「見」は「見る」という「動詞の連用形」
「間取り」=「間」は「名詞」
だからではないでしょうか?
どうでしょうか?


