2月3日の「ミヤネ屋」のテロップをチェックしていたら、
「脱北の裏舞台とは」
というテロップが出て来ました。うん?「裏舞台」?それって普通は、
「舞台裏」
って言うんじゃないのか?
「屋根裏」とは言っても「裏屋根」という言葉がないのと同じでしょう。「裏窓」「裏口」「裏木戸」はあるけど。
とそこまで考えて、
そもそも、お客さんに見せる部分は「舞台」で、スポットライトを浴びるわけです。
それを支える「裏方さん」が働いている所は、
「舞台の裏」=「舞台裏」
ですね。だって、表の「舞台」の「裏」に、「舞台」はありませんよね。「裏舞台」はないんです。そこには「裏の部隊(スタッフ)」は、いるかもしれませんが。
また、スポットライトを浴びる舞台に例えて、社会的に日の当たる・世間の注目を浴びるようなシーンに関して、
「表舞台」
とも言うので、そこから誤って「表」の反対は「裏」だから、
「裏舞台」
というような間違った言葉が生まれたのではないでしょうか?
グーグル検索では(2月3日)、
「舞台」 =2億6500万件
「表舞台」= 426万件
「舞台裏」= 2410万件
「裏舞台」= 169万件
「舞台の裏側」= 43万件
でした。やはり圧倒的に「舞台裏」のほうが、「裏舞台」よりも使われています。14倍以上です。ついでに、
「檜舞台」 =12万0000件
「ひのき舞台」=39万2000件
「ヒノキ舞台」=35万4000件
でした。
『広辞苑』『精選版日本国語大辞典』『明鏡国語辞典』『新明解国語辞典』には「裏舞台」は載っていません。『三省堂国語辞典』では「裏舞台」は「空見出し」で、
「『舞台裏』を見よ」
になっていました。
でも結局これは、単純に「裏側」でいいのではないか?ということで、放送では、
「脱北の裏側」
にしました。


