大阪・吹田の神社のウサギの置物が盗まれたというニュースで出て来た、
「手水舎」
という言葉を、アナウンサーが、
「テミズヤ」
と読んだところ、視聴者の方から、
「チョーズヤ」
ではないのか?というご指摘を受けました。たしかに「手水」は、
「チョーズ」
と読みますね。
「手水鉢」
は、
「チョーズバチ」
ですね。そこで調べてみたところ、辞書にはなんと、
「テミズヤ」
と載っているではないですか!
報道のデスクに確認したところ、彼も気になって該当の神社に読み方を確認したところ、「テミズヤ」
だったそうです。さらに神社本庁のHPにも、
「テミズヤ」
と書かれていたそうです。
https://www.jinjahoncho.or.jp/omairi/osahou/sanpai
つまり、「手水」の読み方は、
「手水舎」=テミズ(ヤ)
「手水鉢」=チョーズ(バチ)
と使い分けられているのですね!
『新聞用語集2022年版』の「放送で標準とする読み方麗」には「手水」も「手水鉢」「手水舎」も載っていませんでした。
『NHK間違いやすい日本語ハンドブック』(初版2013年。私が持っているのは2017年の5刷)には、318ページに
「手水」チョーズ ×テミズ
と載っていました。
また『共同通信記者ハンドブック第14版』は、
「ちょうず(手水)→ちょうず」(324ページ)
と、平仮名で書く、と記してありました。「てみず」は載っていませんでした。
『精選版日本国語大辞典』は「テミズヤ」「チョーズヤ」と両方載っていました。
『広辞苑』も両方載っていました。
『三省堂国語辞典』も「てみず」「ちょうず」両方見出しがあって、その用例(作例)でそれぞれ「手水舎」がありました。
『明鏡国語辞典』は「てみず」「ちょうず」の見出しはありましたが、どちらにも「手水舎」はありませんでした。
『新明解国語辞典』は「てみず」の(1)が「空見出し」で「ちょうず」を見よと。そこで見出しとして「ちょうずば(手水場)」「ちょうずばち(手水鉢)」が載っていました。
そもそも「チョ-ズ」は「テミズ」がなまってできた発音なのですから、どちらでも間違いとは言えないのでしょうね。


