8847「スタック」

2023 . 1 . 27

8847

 

1月26日の「ミヤネ屋」で、

「スタックする場面も」

というテロップが出て来ました。大雪の影響で車が動けなくなったというニュースの中継です。この、

「スタック」

というのは聞き慣れない言葉です。「スタッフ」「アタック」は知っていますが。

国語辞典を引くと、『広辞苑』『明鏡国語辞典』『新選国語辞典』『岩波国語辞典』『現代国語例解辞典』『三省堂現代新国語辞典』『精選版日本国語大辞典』には、

「載っていない」

のですが、新語をいち早く取り入れることで知られる『三省堂国語辞典』には載っていました。

*「スタック」(stuck=stickの過去分詞)車が、雪・ぬかるみなどにタイヤを取られて動けなくなること。(例)川でトラックがスタックする。

また『新明解国語辞典』にも載っていました。

*「スタック」(stuck)自動車などの車輪が空回りするなどして動けなくなること。(例)トラックが泥道でスタックする。

大きな国語辞典である『大辞林』にも載っていました。

*「スタック」(stuck)動かなくなること。動けなくなること。何らかの状況にはまり込んで立ち往生すること。(例)雪道でスタックした車

ということで、私が引いた辞書で「スタック」を載せていたのは、いずれも「三省堂」から出ている3種類でしたが、用例で出て来た「場所」が、

『三省堂国語辞典』=川

『新明解国語辞典』=泥道

『大辞林』    =雪道

で、『大辞林』の用例が今回「ズバリ!」ですね。『三国』の「川」って、どうなんだろうか?4WD車の場合かな?

「スタック」に関しては以前の「ミヤネ屋」でも出て来て説明を補った覚えがあります。

検索してみたら、去年(2022年)の「1月13日」と「1月18日」に出て来ていました。その際は、

「スタックですね」→「(タイヤが雪に埋まる)スタックですね」

「雪でスタックして」→「雪でスタック(動けなくなる)して」

と意味を補ってテロップを出していました。「スタック」の意味としては、「三省堂」の3つの辞書にあるように、

「(自動車の)タイヤが雪などに埋まって、動けなくなること」

なのですが、さすがにそれを全部書くと、

「長くなってしまう」

だからこそ「スタック」という「一言」で表せるのが便利なので、最近はよく使われるようになってきたのでしょう。(昔はそれほど使わなかったので「国語辞典」に載っていなかったのでしょうね。)

そこで「雪に埋まって」という「原因」は省略して、

「動けなくなる」

という「結果・現象」面を補うようにして、この日のテロップは、

「スタックする(動けなくなる)場面も」

としました。

 

(2023、1、26)