8778「『予選会』のアクセント」

2022 . 12 . 9

8778

 

11月15日の日本テレビ「スッキリ」を見ていたら、高校駅伝の県予選で、先導の自転車がコースを間違えたためにトップを走っていた高校の選手がコースを間違えて時間をロスして2位に終わって代表権を取れなかったというニュースを放送していました。その中でで、

「予選会」

という言葉が出て来ました。その際ナレーターさんは、

「ヨ/センカイ」

と「平板アクセント」で読んでいたのが気になりました。

「〇〇会」

というアクセントの「平板化」は、もうかなり昔から言われていますが、『NHK日本語発音アクセント新辞典』巻末の「複合名詞のアクセント」を見ると、「〇〇会」のアクセントは原則、

「〇〇〇\カイ」

と「会」の前で下がる「中高アクセント」になっています(例外としては「試写会」は「平板」もあり、「二次会」は「平板」を優先しています)。

それに従うと、「予選会」は、

「ヨ/セン\カイ」

あるいは、「会」の前が「ン」「ッ」などの場合はアクセントが1つ前に移動するとも書かれていたので、

「ヨ/セ\ンカイ」

という「中高アクセント」ではないかと思われます。

ちなみに、卒業などの前に行われる送別会である、

「予餞(よせん)会」

は、『NHK日本語発音アクセント新辞典』には載っていませんでしたが、『三省堂国語辞典』(第八版)のアクセント表示によると、

「ヨ/セ\ンカイ」

でした。

「予選」を「予選会」と(「会」を付けて)言うかどうかという問題もあるとは思います。

昨今、「アクセントの平板化」が進んでいる「〇〇会」のアクセントで、「平板」で発音することはどこまで許容されているのでしょうかね?(どの「〇〇会」なら「平板」を許容されるのでしょうか?)

また、「原稿を読む場合」と「トーク(話す)の場合」では、許容の範囲は変わるのでしょうか?気になるところですね

 

(2022、11、25)