今月、12月の「私の履歴書」は、世界的な指揮者リッカルド・ムーティ。毎日楽しみに読んでいる。しかし、これってどういう人選なのかな?
きょう(12月9日)は、「指揮者」について大変参考になる話が書かれていたので、メモしました。
ムーティのサン・ピエトロ・マイエッラ音楽院でのピアノ教師、ヴィンチェンツォ・ヴィターレ先生の教え。
「楽譜の要点はフレーズにあり、フレーズには自然な決まりを含んでいるので、速度記号を参考にしながらどこに頂点があるのかを見出さなければならない。自分はこう感じるからと勝手に解釈し演奏することはご法度だった。」
偉大な指揮者アルトゥーロ・トスカニーニは、
「腕は頭脳の延長である」
と言った。
指揮者・ミトロプーロスは、
「右腕はリズムをコントロールし、左腕は『心』を表現する、つまり2本の腕が自立することが求められる」
と語った。
以下、ムーティの言葉。
「指揮者はどうあるべきか、これは難しい問題だ。多くの人が『指揮をする』ことを単なる『身ぶりをする』ことと勘違いしているのではないだろうか。今日では指揮者の視覚的な面が文化的要素より優先され、体を大きく使って激しく感情豊かで情熱的に表現する指揮が素晴らしいと思われることがある。私の場合、腕の振り方は最初から自然にできた。それより指揮者としての基礎をつくるうえで最も重要なのは作曲の勉強ではないだろうか。作曲家の視点かスコアを分析することにつながるからだ。
(2022、12、9)


