訃報などの際の挨拶状で、
「ごこうぎ」
という言葉の漢字表記で、ふだん見慣れているのは、
「ご厚誼」
という表記です。
しかし、1971年11月、金田一京助博士が亡くなった際の挨拶状は、
「ご好誼」
であったという資料を、大阪大学の岡島昭浩先生のSNSで見かけました。
昔は「ご好誼」だったのかな?
グーグル検索では(12月28日)
「ご厚誼」=107万0000件
「ご好誼」= 1万6600件
そして、こういうのもありました。
「ご交誼」= 2万4800件
「ご高誼」= 42万7000件
意味の違いはどうなのでしょうか?それに関してはこういう記述も。
『「ご好誼」は心がこもったつきあいのある人に対して使う言葉であるため、「ご交誼」同様、目上の人に対して使うことは失礼にあたります。』
『「ご高誼」は、並々ならぬ親しい交わり、目上の人から受ける行為を意味します。「ご高誼」では、相手の自分に対する思いやりを敬う表現になるため、「ご厚誼」と比較すると、敬意の方向が逆転しています。 つまり目上の人に対してではなく、目上の相手から頂く言葉になるので、勘違いして用いることのないようにしましょう』
『「交誼」には、「友人としての親しい付き合い」という意味があります。「よしみ」という意味を持つ点では「厚誼」と同様ですが、相手が「対等な関係」であることが大きな違いです。 そのため、「ご」を付け「ご交誼」と表したとしても、目上の人に使用することはできません。』
つまりまとめると、「『ごこうぎ』を頂き」で、
・「ご厚誼」「ご高誼」は取引先や目上の人に使う言葉。
・「ご交誼」「ご好誼」は、友人や同僚に使う言葉。目上の人に使えない。
ということになりますね。
金田一京助先生は、
「友人や同僚に対しての言葉」
として、
「ご好誼」
を使ったのでしょうか。もう「目上」の人はいなくなっていたのか?
「目上」
という考え方って、なんて面倒くさいだ!!


