8810「ご厚誼とご好誼」

2022 . 12 . 28

8810

 

訃報などの際の挨拶状で、

「ごこうぎ」

という言葉の漢字表記で、ふだん見慣れているのは、

「ご厚誼」

という表記です。

しかし、1971年11月、金田一京助博士が亡くなった際の挨拶状は、

「ご好誼」

であったという資料を、大阪大学の岡島昭浩先生のSNSで見かけました。

昔は「ご好誼」だったのかな?

グーグル検索では(12月28日)

「ご厚誼」=107万0000件

「ご好誼」=  1万6600件

そして、こういうのもありました。

「ご交誼」=  2万4800件

「ご高誼」= 42万7000件

意味の違いはどうなのでしょうか?それに関してはこういう記述も。

『「ご好誼」は心がこもったつきあいのある人に対して使う言葉であるため、「ご交誼」同様、目上の人に対して使うことは失礼にあたります。』

『「ご高誼」は、並々ならぬ親しい交わり、目上の人から受ける行為を意味します。「ご高誼」では、相手の自分に対する思いやりを敬う表現になるため、「ご厚誼」と比較すると、敬意の方向が逆転しています。 つまり目上の人に対してではなく、目上の相手から頂く言葉になるので、勘違いして用いることのないようにしましょう』

『「交誼」には、「友人としての親しい付き合い」という意味があります。「よしみ」という意味を持つ点では「厚誼」と同様ですが、相手が「対等な関係」であることが大きな違いです。 そのため、「ご」を付け「ご交誼」と表したとしても、目上の人に使用することはできません。』

つまりまとめると、「『ごこうぎ』を頂き」で、

・「ご厚誼」「ご高誼」は取引先や目上の人に使う言葉。

・「ご交誼」「ご好誼」は、友人や同僚に使う言葉。目上の人に使えない。

ということになりますね。

金田一京助先生は、

「友人や同僚に対しての言葉」

として、

「ご好誼」

を使ったのでしょうか。もう「目上」の人はいなくなっていたのか?

「目上」

という考え方って、なんて面倒くさいだ!!

 

(2022、12、28)