12月13日の日本テレビ「スッキリ」で、ナレーターさんが、
「保育」
を、
「ホ\イク」
と「頭高アクセント」で読んでいたのが気になりました。私は「保育」は、
「ホ/イク」
と「平板アクセント」で、これまで読んできたからです。強調するための、
「演説アクセント」
として「頭高」になることはありますが。それに関しては、
「平成ことば事情2049防犯・判決・支援のアクセント」
などで書きました。
その後、お昼の「ストレイトニュース」でも、「頭高」で「ホ\イク」と読んでいたので、「おや?」っと気になって『NHK日本語発音アクセント新辞典』を引いてみました。
すると!なんと、
「ホ\イク」「ホ/イク」
の順番で「頭高アクセント」が「先」に載っているではありませんか!
以前の「NHKアクセント辞典」を引いてみたら、こちらは、
「ホ/イク」「ホ\イク」
と「順番が逆」でした。つまり「2016年に新辞典が出たとき」か、その少し前に、
「アクセントの順番が入れ替わっていた」
のです。気付かなかったあ!
ことし(2022年)1月に出た「第八版」から、見出し語にアクセントを付けた『三省堂国語辞典』を見ても、
「ホ\イク」
と「頭高アクセント」になっていました。まあ、恐らく『三省堂国語辞典』の「アクセント」の制作には、『NHK日本語発音アクセント新辞典』の編纂に当たったNHK放送文化研究所の、
「塩田雄大さん」
が当たっていると思われるので、「同じ傾向」というのは、当たり前と言えば当たり前ですが。
ちょっと古いですが、2010年に出た、秋永一枝先生の『新明解日本語アクセント辞典』を引いてみたら、
「ホ/イク」「ホ\イク」
の順番でした。つまり、以前の「NHKアクセント辞典」と同じです。
そして翌日(12月14日)の読売テレビのお昼のニュースで、新人の足立夏保アナウンサーが読むニュースを見ていたら、警察官が、
「内規」
に反する行動を取っていたというニュースを読んでいました。そのアクセントが、
「ナ\イキ」
と「頭高アクセント」だったので私は、
「ナ/イキ」
と「平板アクセント」ではないのか?と思い、またアクセント辞典を引いてみました。
すると!またもや『NHK日本語発音アクセント新辞典』では、
「ナ\イキ」「ナ/イキ」
の順番で「頭高アクセント」が「先」に載っているではありませんか!
そして、以前の「NHKアクセント辞典」を引いてみたら、こちらは、
「ナ/イキ」「ナ\イキ」
と「順番が逆」でした。『三省堂国語辞典・第八版』と、秋永一枝先生の『新明解日本語アクセント辞典』も、「保育」と同じようなアクセントパターンでした。
もしかして、スポーツ用品メーカーの、
「NIKE(ナイキ)」
が、最初の頃は「英語」と同じアクセントで
「ナ\イキ」(頭高アクセント)
だったのですが、最近は、もう日本語化して「平板アクセント」で、
「ナ/イキ」(平板アクセント)
になっているので、それと区別するために「内規」が、「頭高アクセント」で、
「ナ\イキ」
の順番が「先」になったのかなあ?それとも、
「3拍の単語」
に関しては、アクセントパターンが変わってきているということでしょうか?
このようにして、言葉やアクセントは変わっていき、知らぬ間に定着していくのですね。
もう私なんかは、古い人間なのかなあ。


