旧統一教会問題から発生した、いわゆる、
「被害者救済法案」
が先週、衆議院で可決され、その後成立しました。その際の報道を見ていると、
「衆議院で可決」
という表現と、
「衆議院を通過」
という表現がありました。この「可決」と「通過」、まあ意味は同じことを示しているのですが、「使い分け」はあるのか、考えてみました。
法案は普通、まず「衆議院」で審議され、そのあとに「参議院」で審議され、法律として成立します。その「手順」に注目をすれば、「衆議院で可決」されたら「参議院」へ送られるので、
「衆議院を通過」
と表現できます。つまり「通過」は、
「法案の審議過程」
に注目した表現と言えるでしょう。
それに対して、衆議院で審議された法案が、衆議院において賛成多数となれば、
「衆議院で可決」
ということになり、次は参議院に送られます。これを「可決」ということは、
「法案そのものの」
に注目した表現と言えるでしょう。
どちらに重きを置いて表現するかで、同じ状態を表すのに違う表現があるということでしょうね。
(2022、12、16)


