「花咲ガニ」
を水揚げする、北海道・根室市の、
「花咲漁港」
の映像を、11月24日のニュースでやっていました。それを見て、
「そうか、花咲漁港から水揚げするから『花咲ガニ』なのか。地名ね。『越前』で水揚げしたら『越前ガニ』だしな。」
と思いました。
実は私は、「花咲ガニ」は、
「甲羅が赤くて、花が咲いているように見えるから」
その名前があるのかな?などと思っていたのです。
今回「地名」だとわかったことで、同時に、
「もしかしたら、本来は『花咲』ではなく『端先(はなさき)』だったのではないか?つまり、突き出した岬を『端先(はなさき)』といい、それに当て字で『花咲』にしたのではないか?」
と思いました。九州(鹿児島・指宿市)には、
「長崎鼻」
という地名の「岬」もありますしね。多分、当たっているんじゃないかなあ?
北海道根室振興局のサイトを見たら、
「花咲ガニは、根室周辺の海域に生息するカニ。根室市にある花咲漁港で多く水揚げされることからその名がついたといわれる説や、ゆでると花が咲いたように見事な赤色になることが由来となったという説などがある」
ということで、残念ながら、
「そもそも『花咲(漁港)』の地名が『端先』の当て字である」
という説は載っていませんでした。でもまあいいや!カニも食ってないけど!
(2022、11、30)



(追記)
読者の川崎市のNさんからメールが届きました。
「花咲ガニ」と「花咲漁港」に関する情報です。それによると、
『「花咲ガニ」の直接の語源は、明治時代の地名「根室国花咲郡(花咲村)」のようです。
アイヌ語で「ポロノッ(大きな岬の意)」と呼ばれていた半島を、和人が「鼻岬・鼻崎」と呼び、明治2年に令制国・郡を置く際に、かの松浦武四郎が「花咲」の字を提案したと
のこと。明治3年には花咲村が成立。意味的には「鼻岬=鼻崎=鼻先=端先」ですね。「ハナ」と「サキ」も類義ですが。現在は根室市花咲町と花咲港という地名があり、花咲港の近くにさらに「花咲岬」があります。』
とのことで、やはり私の推測は、ほぼ当たっていましたね!ありがとうございます!
それにしても「花咲」という漢字の地名の提案者が、
「かの松浦武四郎」
だとは!
・・・と、言ってみたものの、「北海道関係の人」ぐらいしかわからん感じなので、調べてみましょう。
「松浦武四郎記念館」https://takeshiro.net/about
というのがあるようなので、そのサイトで。それによると、松浦武四郎は文化15年(1818年)、伊勢國須川村(現三重県松阪市小野江町)生まれ。諸国を巡り、見て聞いたことを記録し多くの資料を残したと(明治21年(1888年)2月10日没)。探検家・地誌学者ですね。中でも28歳の時に、当時はまだ人々にあまり知られていなかった蝦夷地(現在の北海道)へ向かい、約13年間に計6回の調査を行ったそうです。その記録は『初航蝦夷日誌』・『再航蝦夷日誌』・『三航蝦夷』などの日誌風の地誌や、『石狩日誌』・『唐太日誌』・『久摺日誌』・『後方羊蹄日誌』・『知床日誌』などの大衆的な旅行案内、蝦夷地の地図など多くの著作があり、それらは地図製作の基本資料となり、非常に多くの地名を収録していることから、アイヌ語地名研究の基本文献ともなっているそうです。
その一つに、「花咲」もあるのかあ。勉強になりました!
(2022、12、8)