2か月半前に予約をしていたこの雑誌、ようやく順番が回って来て図書館に受け取りに行った。
坂本龍一さんは、2014年に見つかった「中咽頭がん」は寛解したものの、2020年6月に直腸がんと診断され、さらに11月には肝臓やリンパへの転移がみつかり、日本の病院の腫瘍内科の先生に「何もしなければ余命半年です」と告げられた。さらに年が明けて2021年1月に肺にも転移があるとわかり、10月と12月に肺の腫瘍の摘出手術をしたという。転移がある時点で「ステージ4」だそうだ。だから『ぼくはあと何回、満月を見るだろう』というタイトルは、坂本さんの命が「年単位」ではなく「月単位」であるということの告白だろう。
全身麻酔で20時間もの手術を受けると1週間ぐらい「せん妄」があるという。それが一番つらくて、中でも「財津一郎の歌う『♪みんな まあるく タケモトピアノ~」のCMソングがあの振り付けとあわせて延々とせん妄の中でリピートされたときは、逃げ場のない鬱陶しさで、さすがに発狂するかと思いました。」という一文には、失礼ながら笑ってしまった。キユーピーの「♪たーらこー、たーらこー」の曲で、たらこのキユーピーさんの軍隊が行進してくるのも、リピートされたら困るだろうな。
なお、この原稿は鈴木正文氏を聞き手としたインタビューをもとに構成したもの、だそうです。
(2022、11、14読了)


