『ぼくはあと何回、満月を見るだろう(第2回)「母へのレクイエム」』(坂本龍一・鈴木正文、「新潮」2022年7月号」

2022 . 11 . 29

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ちょうどニューヨークから日本に帰って来ていたタイミングで、お母さんが亡くなられたと。それが普段は全くそういうのは信じないが、占い・予言のようなことを聞いたら「お母さんが年明けに亡くなるから、アメリカに帰るのは延期した方がいい」との「予言」を聞いて、念のためアメリカに帰るのを延期している間に本当に亡くなられたという。そういう不思議なこともあるのだな、と記していました。あるんですね…。

音楽を作る中で、「お母さんへのレクイエム」ということは意識しなかったが、周りの人はそういうふうに受け取って、周囲から言われることで「そう言われれば、そうだったのかもしれない」と気付くこともあるという。

(これはこの号だったか、ちょっと記憶が混ざっているが)以前は、代表曲の「戦場のメリークリスマス」をコンサートで弾くのが嫌だったそうだ。いつまでたっても昔のヒット曲を弾くなんて、今の自分を見てほしい・聞いてほしいと思って頑なに拒否していたと。しかし、他のアーティストのコンサートに行って、みんなが待ち望んでいる曲・自分も期待してている曲は、やはりその「昔の名曲」だったということに気付いてからは、「戦メリ」を拒否する気持ちはなくなったという。周りから見ると、ある意味「高慢な」というか「常に前向きな姿勢」が、アーティストにはあるんだなと思いました。

 

 

(2022、11、21読了)