夕方、寒くて小腹がすいたので、会社の近くのコンビニに、
「肉まん」
を買いに行きました。関西では、
「豚まん」
と一般的には言いますが、関西人に「豚まん」というと、
「なんば蓬莱551の豚まん」
を思い浮かべます。だからこそ、
「コンビニで売っているのは『肉まん』」
ではないかという感じもします。
一番近くのコンビニに入り、「肉まん・豚まん・あんまん」などを温めているショーケースをのぞこうとしたら、そのケースの前に店員の背の高いおじさん(店長?)が、何か他の商品を並べるために立ちふさがっていたので、
「すみませーん、肉まんを見たいんですが」
と言ってどいてもらって、ショーケースを見ると、結構売り切れの商品も多く、中はスカスカでした。お目当ての、
「一番普通の肉まん」(138円・税込み150円)
は売り切れで、
「ちょっと高級そうな肉まん(実際少し高く183円・税込み200円)」
しかなかったのですが、
「まあ、それでいいか」
と思いレジへ行くと、さっきのおじさんがいたので、
「肉まん、下さい」
と言うと、
「はい」
と言ってレジで「肉まん」を打ってから、数メートル離れたショーケースに取りに行きました。客がお金を払うのは「自動精算機」なので、私は表示された「150円」を見て、
「あ、安いんだ。セールか何かしてるのかな?」
と思いながら、「150円」を払い、レシートも出てきました。
すると、そこへ背の高いおじさんが、
「すみませーん、肉まん、売り切れなんですけど」
と言って戻って来たので、
「え?『肉まん』も『豚まん』も同じでしょ、『あんまん』じゃない方やん。さっき残ってたよ。関西では『豚まん』と言い、関東では『肉まん』というだけの話でしょ」
と言うと、
「残っているのは『肉まん』じゃなくて『豚まん』なんです」
と言うではありませんか!
「そんなんどっちだって、おんなじじゃない、それでいいよ」
「いえ、うちでは、値段の高いほうが『豚まん』、安いほうが『肉まん』なんです。お客さん、『肉まん』って言わはったから」
「人のせいにするのか!そんなの知るかいな!勝手に決めんなや!『肉まん』でも『豚まん』でもかまへん!『あんまん』じゃない『肉』が入ったのを食べたいねん!安いほうが売り切れなのは知ってるよ、さっき見たから。私がショーケース見てたんは、知ってるよね。あんた、見てたでしょ。だからもう1種類のほうで、という意味で言ったんですけど。売り切れのほうを頼むわけないやん、見て知ってたんだから。あんた、さっきショーケースの前にいたのに、商品が売り切れかどうかの確認もできてなかったわけ?」
「はい・・・」
「在庫管理ができてないねんな。ないもんは頼まれへんから、高いほうでええよ。どうしたらいいの?もう払ってしまって、レシートまで出てるで。差額をこの機械に突っ込めばいいのか?」
と言っていると、レジの機械から、「チャリーン」という音とともに百円玉と五十円玉が出てきました。
「もう一度最初から、お金を入れてください」
アホらしくなって、
「もういい!こんな店で誰が買うかーーー!!」
「二度と買うか」と言うと、不便になるので「二度と」とは言いませんでした。とりあえずきょうは買わない。このコンビニで買わなくてはいけない義務など、ないのです。やる気のない失礼な店員のいる店で買わなくても、20メートル隣にもう一軒、小さいコンビニがあります。プンプンしながらその店へ行くと・・・
ない。
その店は「肉まん」(も「豚まん」も?)売り切れでした。
仕方ない、この同じビルの3階にもコンビニがある。そこへ行くと、なんとそこも「肉まん」は「売り切れ」でした。誰か買い占めているのか?巨大な力か??
50メートルほど離れていますが、隣のビルの3階にも少し大きなコンビニがあります。行ってみたら・・・ありました!ようやく「肉まん」が!税込み140円。しかも安い!
怒りが冷めやらない中で食べたけど、おいしかったです。怒りで体がポカポカです。
そもそも、あの背の高い店員が、
「レジ打ちをする前に、商品を確認していたら」
こんなに私が怒ることはなかったのです。
それと「肉まん」と「豚まん」、同じ「豚肉を使ったまんじゅうの名前」を、商品によって分けるというのも、誤解を生じる大きな原因だと思います。即刻、直してほしい。
値段の違いを分かりやすくするのなら、
「肉まん」(安)と「特製肉まん」(高)
あるいは、
「豚まん」(安)と「特製豚まん」(高)
にすればいいのです。もっとストレートに、
「安い豚まん」と「高い豚まん」
が分かりやすい。そうすれば、誤解は絶対に生まれません。
まあしかし、ものが「肉まん」だけに、
「罪を憎んで、人をにくまん」
これは「豚まん」では言えないダジャレです。



