<2019年7月25日に書き始めました。>
京都大学のОBの方ですが、私たちの合唱団(早稲田大学グリークラブのОBを中心とした男声合唱団「大阪稲門グリークラブ」)で一緒に歌ってくれている仲間のS先輩から、
「早稲田大学校歌の3番の歌詞」
に関して質問を受けました。
「仰ぐは同じき 理想の光」
とある歌詞の、
「『同じき』の『き』は、何か?」
と言うのです。
え?
「形容詞の連体形」
なんじゃないですか?と答えたのですが、それは「き」付かなかったなあ、何十年も。
たしかに「形容詞の活用」をさせると、
「かろ・かっ・く・い・い・けれ」
ですね。あれ?「き」がないな。いや違うか、
「形容動詞」
か!「形容動詞の活用」は、
「だろ・だっ・で・に・だ・な・なら」
あれ?ここにも「き」がないな。
『広辞苑』で「同じ」を引いたら、
「形容動詞型活用のだが、連体形は『同じ』を使用」
とあります。これの意味は、連体形は、
「『同じな』とはならず『同じ』を使う」
ということです。それだと「同じき」が出てこない。
そうか、「文語」か!しかも、
「同じく」
は、「形容詞の活用」です。これも「文語」かな?たまに耳にする、
「同じう(同じゅう)」
とか、
「同じい」
も「文語形容詞」なんですね。
「同じき」は辞書の「見出し」に出てきませんが、『精選版日本国語大辞典』で「同じ」を引いたら、
「『おなし』とも。体言に続くときには『おなじ』と『おなじき』の二つの活用形が用いられた」
と「同じき」が出てきました。なかなか奥が深い言葉だったんですね「おなじ」は。勉強になりました!
(2022、10、25)


