令和ことば事情8680「ジャン=リュック・ゴダール」の続きです。
『週刊文春』10月6日号の福岡伸一さんのコラム、
「福岡ハカセのパンタレイパングロス」(第699回=来週700回か!14年も書いているのか)
のタイトルが、
「ブラはずしとゴダールの死」
実は、村上はずし…ではなく村上春樹の、阪神大震災を受けて書かれたという短編集の中の「蜂蜜パイ」という作品に「ブラはずし」が出てくるうという話と、この短編集のエピローグに、ゴダールの映画『気狂いピエロ』のセリフが引用されていると紹介されています。それは、ベトナム戦争のラジオニュースで、
「ヴェトコン側も115人戦死しました」
と伝えているのを聞いて、
女「無名って恐ろしいわね」
男「なんだって?」
女「ゲリラが115名戦士というだけでは何もわからないわ。一人ひとりのことは何もわからないままよ。妻や子供がいたのか?芝居より映画が好きだったのか?まるでわからない。ただ115人戦死というだけ」
というセリフがあったと。(映画、見てみたいな。まだ見ていない。)
その際に、福岡ハカセは、
「ジョン=リュック・ゴダール」
という「=」を使った表記を用いていました。
また、9月29日付「産経新聞・夕刊」の文化欄に「追悼 ゴダール監督」という記事が載っていて、
「映画ジャーナリスト・立田敦子」
という方が書いていましたが、その文章の「枕」に当たる部分(これは「産経新聞」側が書いているが無署名)も立田敦子さんも、「=」を使った表記の、
「ジョン=リュック・ゴダール」
を使っていました。
(2022、9、30)


