9月8日、英国のエリザベス2世女王が亡くなりました。96歳でした。
世界中が驚きと悲しみに包まれ、9月19日に行われた国葬には、日本から天皇皇后両陛下もご出席されました。
さて、この「女王」の読み方ですが、正しくは、
「ジョオー」
です。「女」は「ジョ」ですから伸ばしません。しかし、世の中の多くの人は、
「ジョーオー」
と「ジョ」を伸ばして発音しています。
これについては20年以上前に、当時の夕方の関西ローカルの番組「ニュース・スクランブル」の中の「平成ことば事情」というコーナーで取材したことがありました。(実は、それまで私も「ジョーオー」だと思っていたのです。)
御所の女房詞(ことば)の専門家・堀井令以知先生(故人)にインタビューしたところ、
「正しくは『ジョオー』。しかし『女房』も正しく読めば『ニョボー』のはずだが『女』を伸ばして『ニョーボー』と読むことが定着している。恐らく後ろの『王(オー)』にリズムを合わせるために『ジョー』と伸ばす傾向があるのではないだろうか」
ということでした。
「女王」について、各局のアナウンサーや記者のしゃべりを聞いていると、明確に「ジョ」と短く言っている人が多かったと思いますが、「ジョー」と伸ばしている人も結構いました。また、同じ人でも伸びたり縮んだりしていました。これは、
「しゃべるスピード」
にもよるのかもしれません。本人は「ジョ」と言っているつもりでも、聞く人には「ジョー」と聞こえてしまうことも、あるのかもしれません。
ジェームズ・ボンドが活躍する映画に「女王陛下の007」という作品があります。昔、これをテレビの「月曜ロードショー」で放送した際の荻昌弘さん(故人)の解説を、最近ネットで見ましたが、荻さんは明確に、
「ジョーオー」
と「女」を伸ばして話していました。
ちなみに、チャールズ新国王が即位したことによって、英国国歌のタイトルと歌詞も「God Save The Queen」から「God Save The King」へ変わりましたが、トランプの「Q」が「K」になることは、ありません。


