8月11日「読売新聞オンライン」を読んでいたら、こんな言葉が目に留まりました。
「零封勝ち」
ネットニュースの見出しです。実際には、
「高校野球:仙台育英、継投で鳥取商に零封勝ち」
これを見て違和感が。もちろん「零封」という言葉はあるのですけど、普通はこれ、
「鳥取商に完封勝ち」
もしくは、
「鳥取商を零封」
ではないのでしょうか?
他にもあるのか?ネット(グーグル)検索してみたら(8月12日)、
「零封勝ち」=14万3000件
まあ、ありました。いろんな新聞が使っています。それに対して「完封勝ち」は、
「完封勝ち」=136万件
1ケタ違います。つまり10倍使われていました。あ、もしかしたら。。。。
「『完封』は、1人の投手が完投して零封することに使い、何人かの投手が継投した場合は『零封』を使うというような使い分けがあるのかもしれない」
と思い当たりました。
『三省堂国語辞典』には「完封」も「零封」も載っていて、「零封」には「何人かの投手が継投して」とは書かれていませんでしたが、「完封」のほうには「完投して」とありました。『広辞苑』も両方載っていましたが「完封」に「完投」とは書いてありませんでした。
『明鏡国語辞典』は「完封」には「相手チームを無得点のまま最後まで投げて」とありましたが、「零封」は見出しにありませんでした。「零敗」はありましたが。
『新明解国語辞典』も「完封」に「完投」は記されていましたが、「零封」の見出しはありませんでした。「零敗」はありましたが。
『新選国語辞典』も「完封」に「投げ切ること」とあり、「零封」も載せていましたが「継投」には触れていませんでした。
「零封」自体が比較的新しい言葉で、それに「勝ち」を付けた「零封勝ち」は、もっと新しい言葉なのではないか?また、1人の投手が完投して0点に抑える「完封勝ち」との使い分けが生じているのではないか?という気がしました。


