日本時間の8月2日、アメリカのバイデン大統領が、アルカイダの首謀者、
「アイマン・ザワヒリ容疑者(71)」
をクローンで攻撃して殺害した(アフガニスタン現地時間・先月31日午前6時20分ごろに行われた)と発表しました。
その「アルカイダ」、久々に見た気がしますが、夕刊各紙の表記を比べてみました。
「アル・カーイダ」=読売
「アルカーイダ」=産経
「アルカイダ」=朝日・毎日・日経
つまり「カー」にアクセントがあることを「―」で伸ばして示しているのが「読売」と「産経」、アクセントは気にせず「伸ばしていない」のが「朝日・毎日・日経」で、「読売」は「定冠詞」の「アル」のあとに「・」を入れていますが「産経」は入れていません。そういう違いがありました。
同時に、2011年、当時のオバマ大統領の指示で同じように殺害された、
「ウサマ・ビンラディン容疑者」
の表記も見比べてみましょう。
(読売)ウサマ・ビンラーディン
(朝日)オサマ・ビンラディン
(毎日)ウサマ・ビンラディン
(産経)ウサマ・ビンラーディン
(日経)ウサマ・ビンラディン
これはファーストネーム(?)が「ウサマ」か「オサマ」かで分けると、
「ウサマ」=読売・毎日・産経・日経
「オサマ」=朝日
また「名字」(?)を「ラーディン」と伸ばすか「ラディン」と伸ばさないかで分けると、
「ラーディン」=読売・産経
「ラディン」=朝日・毎日・日経
ということになりました。
「ビン~」は「~の息子」という意味なので「ビン・ラ(―)ディン」は、
「ラ(ー)ディンの息子」
という意味です。
ネット記事で、テレビ局の表記も調べてみたら、
(NHK) アルカイダ オサマ・ビンラディン
(日本テレビ)アルカイダ ウサマ・ビンラディン
(TBS) アルカイダ ウサマ・ビンラディン
(フジテレビ)アルカイダ ウサマ・ビンラディン
(テレビ朝日)アルカイダ オサマ・ビンラディン
(テレビ東京)アルカイダ ウサマ・ビンラディン
ということで、テレビキー局は全局「アルカイダ」「ビンラディン」で統一。
「ウサマ」か「オサマ」かだけ、
「ウサマ」=日本テレビ・TBS・フジテレビ・テレビ東京
「オサマ」=NHK・テレビ朝日
ということのようですね。
「ウサマ」か「オサマ」か、「ビンラディン」か「ビンラーディン」かなどについては、
「2001年」
つまり「同時多発テロ」の際に書いています。我ながら長いこと、書き続けているなあ。
「平成ことば事情(ことばの話)422ウサマ・ビン・ラディン」
です。
https://www.ytv.co.jp/announce/kotoba/back/0401-0500/0421.html#2
その「10年後」に「追記」として、「2011年」にビンラディンが殺害された時に調べたものを再掲します。
(追記)
10年ぶりの追記です。
そうです、10年間、ほとんど「平成ことば事情」では触れることのなかった「ビンラディン」が、アメリカ軍の攻撃(作戦)によって殺害されたというのです。このニュースは、日本時間の2011年5月2日の午前に飛び込んできました。ということで10年ぶり。当時も、もうこれを私は書いていたのですね。何書いたか、覚えてないわ。
そこで、5月2日の夕刊各紙の名前の表記です。
(読売)ウサマ・ビンラーディン(54)
(朝日)オサマ・ビンラディン容疑者
(毎日)ウサマ・ビンラディン容疑者(54)
(産経)ウサマ・ビンラーディン容疑者
(日経)ウサマ・ビンラディン容疑者
ということで、やはり「朝日新聞」だけ「オサマ」でした。(放送ではNHKも「オサマ」です。)「読売新聞」だけ「呼び捨て」で、あとは「容疑者」が付いていました。10年前は「ラーディン」と伸ばしていた日経新聞が伸ばさなくなっていましたし、「ビン・ラディン」という「・」を使った表記はなくなっていました。
アメリカ・ニューヨークでは、ビンラディン容疑者が死んだことを喜ぶ市民の様子が。その手に持ったプラカードには、「Osama」と書かれていました。(2011/5/3)


