8644「AV女優かセクシー女優か」

2022 . 8 . 25

8644

 

2020年6月10日、お笑いコンビ「A」のメンバー「W」の不倫相手の女性の職業が、

「AV女優」

と「スポーツ報知」の見出しで出ていました。

これを「ミヤネ屋」で女性アナウンサーがこの紙面を紹介する際に、そのまま、

「AV女優」

と読んでいいのか?と、担当の女性ディレクターから質問を受けました。ちなみに他系列のキー局の女性アナウンサーは、そのまま読んでいたとのことです。

しかし、過去の「ミヤネ屋」のデータを調べたら、

「2016年に『ミヤネ屋』では『AV女優』『アダルトビデオ』は『使用不可』」

となっていたそうです。

「言い換え例」としては、

「セクシー女優」

という表現を「デイリースポーツ」が使っていたのですが、担当女性ディレクターは、

「かえって、そっちのほうが“いやらしい感じ”がする」

と言います。

話し合いの結果「スポーツ報知」を紹介する時の「見出し」を読むのはそのまま、

「AV女優」

で、VTRの原稿などでは「AV女優」は使わず、

「複数の女性と不倫関係」

など、女性の職業には触れないようにしようと、事前に話しました。

実際の放送では結局、画面に「スポーツ報知」の紙面は映りましたが、「AV女優」とは読まずに済ませました。

他のスポーツ紙の見出しでは、

(日刊スポーツ)  「女性問題」

(サンケイスポーツ)「複数女性」

でした。

 

それから2年。

2022年8月18日のネットニュースを見ていたら、

「AV新法に抗議、セクシー女優・月島さくらさん」

という見出しがありました。当事者である業界団体へのヒアリングが行われないまま、ことし6月に公布・施行された、

「AV出演被害防止・救済法」

この通称が、

「AV新法」

だそうです。この法律は、全てのアダルトビデオの撮影に際して契約書や内容説明の義務化、契約から1か月間の撮影禁止などを盛り込んでいますが、当の業界の人たちからは早くも改正を求める声が出ていて、その署名活動の発起人が、

「セクシー女優の月島さくらさん」

だと言います。

しかし個人的には、最近は「AV」と聞いても「アダルトビデオ」ではなくて、

「オーディオビジュアル」

のほうに感じることが多くなった気がします。

これも時間の流れ、言葉の感覚の変化なのですかね。

 

(2022、8、25)