8月3日の日本テレビ「スッキリ」で、スタジオでハンバーガーの試食をしていました。
その時に女性コメンテーターが、
「肉感(にくかん)がすごい」
と言ったのが耳に留まりました。
グラマーな(死語か?つまり「スタイルの良い」)女性を指して、
「肉感的」
とは言いますが、この場合はおそらく、
「肉のボリュームがあること」
を指しているのではないでしょうか?つまり、
「肉の質感」
の意味ではないか。何となく意味は伝わりますが。
「肉」に関しては最近、
「肉々しい」
という言葉もよく使われます。これは何と「三省堂国語辞典・第八版」「明鏡国語辞典・第三版」には載っています。(「三省堂国語辞典」も「第七版」には載っておらず、「明鏡国語辞典」も「第二版」には載っていません。「新明解国語辞典・第八版」「新選国語辞典・第十版」にも載っていません。)この「肉感すごい」も、同じような意味なのでしょうか?
味の表現としてこれは成り立っているのでしょうかね?
「広辞苑」で「肉感(にくかん)」を引くと、
- 肉体に起こる感じ。(2)性欲にうったえる感じ→「にくかんてき(肉感的)」
とあり、その「にくかんてき(肉感的)」を引くと、
「肉体に魅力のあるさま。性欲をそそるさま。(例)肉感的な体つき」
とありました。(でもこれ、「男性」に対しては使わないんじゃないかな?)
「性欲をそそる」
のであって、
「食欲をそそる」
のではないのです。
「肉々しい」を載せている「三省堂国語辞典・第八版」も、この意味での「肉感」は載せていませんでしたが、「広辞苑」と違い「にくかん」は「空見出し」で、「本見出し」は「にっかん」でした。「第七版」は「にくかん」が「本見出し」で、「にっかん」は「空見出し」でしたから、今回の海底(2022年1月)で入れ替わっています。
いずれにせよ、
「これぞ『肉』という感じ。肉々しい」
の意味の「肉感」は、まだ辞書に載る言葉ではないようです。


