「ミヤネ屋」のテロップチェックが一段落したころに、「かんさい情報ネットten.」のディレクターが話しかけてきました。
「きのう、他局なんですけど『音に注目』ってテロップが出ていて、気になったんです。この表現は、いいんでしょうか?」
「うーん、たしかに『音』は見られないから、元々の意味では『注目』はできないよね。
『音に注意』
か、もっと話し言葉で噛み砕いて、
『音をよーくお聞きください』
とかにすればいいんじゃないのかな?大体『注目』とかの『漢字2文字』にまとめたがる傾向があるよね。テロップでそれでも、読むときは、話し言葉に訳せばいいのに、そのまま書かれた通りに『チューモク』と読んじゃうでしょ、書かれていると。そこに問題があるかなあ」
「なるほど、気をつけます」
という話でした。
一応、辞書を引と(広辞苑)、
*「注目」=(1)目をそそぐこと。みつめること。また、注意を向けること。関心を寄せること。(2)相手に目をそそいで敬意を表する敬礼の型
ということで、もちろん原義は文字通り「目を注ぐ」ですが、そこから発展して、
「注意を向けること」「関心を寄せること」
という意味もありますので、その対象が、
「音」
であっても、
「間違いではない」
のですが、やはり原義が原義なので、
「『注目』は、『音』に関しては使わないほうが、誤解を招かない」
と思いました。
(2022、7、6)


