8561「音に注目?」

2022 . 7 . 11

8561

 

「ミヤネ屋」のテロップチェックが一段落したころに、「かんさい情報ネットten.」のディレクターが話しかけてきました。

「きのう、他局なんですけど『音に注目』ってテロップが出ていて、気になったんです。この表現は、いいんでしょうか?」

「うーん、たしかに『音』は見られないから、元々の意味では『注目』はできないよね。

『音に注意』

か、もっと話し言葉で噛み砕いて、

『音をよーくお聞きください』

とかにすればいいんじゃないのかな?大体『注目』とかの『漢字2文字』にまとめたがる傾向があるよね。テロップでそれでも、読むときは、話し言葉に訳せばいいのに、そのまま書かれた通りに『チューモク』と読んじゃうでしょ、書かれていると。そこに問題があるかなあ」

「なるほど、気をつけます」

という話でした。

一応、辞書を引と(広辞苑)、

*「注目」=(1)目をそそぐこと。みつめること。また、注意を向けること。関心を寄せること。(2)相手に目をそそいで敬意を表する敬礼の型

ということで、もちろん原義は文字通り「目を注ぐ」ですが、そこから発展して、

「注意を向けること」「関心を寄せること」

という意味もありますので、その対象が、

「音」

であっても、

「間違いではない」

のですが、やはり原義が原義なので、

「『注目』は、『音』に関しては使わないほうが、誤解を招かない」

と思いました。

 

(2022、7、6)