8559「『いつしか』と『なんしか』の『し』」

2022 . 7 . 7

8559

 

「いつしか」

という言葉の、

「し」

「強調の『し』」ですね。だから「し」を外せば、

「いつか」

で、「し」を入れてそれを強めると、

「本当に『いつか』というのはわからないけど、『いつか』」

というような意味になりますね。

戦時中(第二次大戦中)のスローガンである、

「撃ちてし止まむ」

の「し」も、同じく「強めの『し』」ですね。

「撃って撃って撃ちまくって、やめない」

ということですね。そこで、ハッと思ったのは、関西弁の、

「なんしか」

です。「か」を略して、

「なんし」

とズボラな言い方をする人もいます。

そういえば最近は、あまり耳にしなくなりました。昔は、

「なんしかなあ、〇〇やねん」

という人、結構いたのですが。初めてこの言葉を聴いたときは、

「なんしか?何鹿?シカなの?」

と思ったのを、今、思い出しました。幼稚園の頃です。

この「なんしか」の「し」も「強調の『し』」ではないか?と思ったのです。「し」を外すと。

「なんか」

よく、関西人は、

「理由は分からないけど」

あるいは、

「理屈で説明は、でけへんけど」

というときに、この「なんしか」を使って、

「ごちゃごちゃ言わんと、黙って俺の言うことを聞け」

というような感じで使っていました。

あ、そうか今は「なんしか」の代わりに語尾に、

「知らんけど」

を使ってるのかもしれないな。自信がないんだよね、話してる内容に。便利に使えますが。

中学の時の先生で、生徒から不満が出ると、この「なんしか」を連発している先生がいたなあ。子ども(生徒)に「なんしか」を連発する先生は、その時点で「負け」だよなあと、遠い日々を思い出したのでした。

 

(2022、7、6)