「いつしか」
という言葉の、
「し」
は「強調の『し』」ですね。だから「し」を外せば、
「いつか」
で、「し」を入れてそれを強めると、
「本当に『いつか』というのはわからないけど、『いつか』」
というような意味になりますね。
戦時中(第二次大戦中)のスローガンである、
「撃ちてし止まむ」
の「し」も、同じく「強めの『し』」ですね。
「撃って撃って撃ちまくって、やめない」
ということですね。そこで、ハッと思ったのは、関西弁の、
「なんしか」
です。「か」を略して、
「なんし」
とズボラな言い方をする人もいます。
そういえば最近は、あまり耳にしなくなりました。昔は、
「なんしかなあ、〇〇やねん」
という人、結構いたのですが。初めてこの言葉を聴いたときは、
「なんしか?何鹿?シカなの?」
と思ったのを、今、思い出しました。幼稚園の頃です。
この「なんしか」の「し」も「強調の『し』」ではないか?と思ったのです。「し」を外すと。
「なんか」
よく、関西人は、
「理由は分からないけど」
あるいは、
「理屈で説明は、でけへんけど」
というときに、この「なんしか」を使って、
「ごちゃごちゃ言わんと、黙って俺の言うことを聞け」
というような感じで使っていました。
あ、そうか今は「なんしか」の代わりに語尾に、
「知らんけど」
を使ってるのかもしれないな。自信がないんだよね、話してる内容に。便利に使えますが。
中学の時の先生で、生徒から不満が出ると、この「なんしか」を連発している先生がいたなあ。子ども(生徒)に「なんしか」を連発する先生は、その時点で「負け」だよなあと、遠い日々を思い出したのでした。
(2022、7、6)


