7月6日の日本テレビ「news every.」を見ていたら、東京渋谷区広尾で、黒いフルフェースのヘルメットを被った男が侵入して、住人の70代の男性をバールで殴ってケガをさせたという事件を報じていました。その際に、
「押し入り強盗(と鉢合わせ)」
という言葉が出てきて「おや?」っと思いました。
そもそも「強盗」って「押し入る」ものなのではないでしょうか?まさか、
「玄関のドアを押して入ること」
を「押し入り」だと思っていたんじゃ?それじゃ、ドアを引いて入ったら、
「引き入り強盗」
か?「押し入り強盗」って、なんか、
「押し入れ強盗」
みたいですね。
「押し入れの中に強盗が隠れていた」
とか?そんなアホな。以前、
「空き巣が押し入り」
という原稿があって、
「チョ、待てよ」
と、某イケメン俳優のようにつぶやいてしまったことがありました。「空き巣」ってことは「人がいない所にこっそり忍び込む」
のだから、
「押し入ることはできない」
のに「空き巣が押し入り」って、ねえ。
あ、もしかしたら今回の「押し入り強盗」って、
「押し込み強盗」
と間違えたのでは?「押し込み強盗」は、
「他人の家に押し入って、金銭や品物を奪い取ること。また、その者」
で、古風な言い方では、
「押し込み」
とも言いそれだけでも意味は通じますが、「押し込み強盗」は「重複」にはなるけど「強調」しているんですよね。それと勘違いしたと。その線が怪しいな。
いずれにせよ「押し込み」も「押し込み強盗」も「死語」になって来ているので、こういった間違いが起きるのではないでしょうか?
一応、グーグル検索(7月11日)しましょう。
「押し入り強盗」=3万6300件
「押し込み強盗」=3万1000件
あ、やっぱり「押し込み強盗」のほうが、数が若干少ない。
でも、この「押し入り強盗」というキーワードの検索では、
「~に押し入り強盗を働いた」
のような文章も出てきていますから、単語としての「押し入り強盗」の件数とは言えませんね。しかしよく見ると、今回と同じような例も見つけました。
*「東京・荒川の押し入り強盗、中国籍の男1人逮捕 警視庁」(日本経済新聞2021年10月15日)
*「“最高ランクのホテルでも、部屋に押し入り強盗が…”中国人“毒婦”の故郷で過ごした「緊迫の一夜」~中国人「毒婦」の告白~#28」(2021年「文春オンライン」2月11日)
*「『闇サイトから請け負った』女性宅に押し入り強盗容疑の男2人逮捕 神奈川県警川崎署」(「オリコンニュース」2020年10月13日)
*「押し入り強盗対策でやるべきは2つしかないので必ず実践を!」(ie.bouhann.net)
ありゃりゃ。結構ありますよ。
これって「誤用」から始まって、かなり広がりを見せているのではないでしょうか?
要注意ですね。


