6月30日と7月1日の在阪他局のお昼のニュースを見ていたら、この時期らしいニュースが2本、流れていました。
・「蚕」から「生糸」を取るニュース
・祇園祭の「禿(かむろ)」と呼ばれる「お稚児さん」のニュース
です。両方、若い男性のアナウンサーが読んでいましたが、これらの単語の「アクセント」が気になりました。
「蚕(カ/イコ)」「生糸(キ/イト)」
と共に「平板アクセント」だったのです。
『NHK日本語発音アクセントト新辞典』を引いて確認してみたら、やはり、
「蚕(カ\イコ)」「生糸(キ\イト)」
の「頭高アクセント」しか載っていませんでした。
まあ、わかります。「蚕」も「生糸」も「養蚕」も、大体、
「糸へン」=「繊維産業」
関連に触れることが、今の私たちは少なくなっているからです。もう12年前の「2010年」に29年間ぶりに改訂された「常用漢字表」で、それまでの漢字から削られたのは、たった「5字」しかなかったのですが、それは、
「勺」「錘」「銑」「脹」「匁」
の「5字」でした。
戦後すぐに「当用漢字」が定められたころには、よく使われた漢字が削減されました。
その中には、「糸へん」=「繊維産業」の「紡績」で使われた、
「錘」
も含まれていました。他は「鉄鋼」関連の「銑鉄」の「銑」や、「膨脹」の「脹」は「張」で代用され、「勺」「匁」という単位は使われなくなってしまったということがありました。仕方ないと言えば、仕方ない。
しかし、「蚕」「生糸」のアクセントが分からなければ(知らなければ)、アクセント辞典を引けばいいのに、と思いました。
また、祇園祭の「禿」も「アクセント辞典」には、
「カ/ムロ」
という「平板アクセント」しか載っていませんでした。
「カ\ムイ」
と間違えたのかな?さらに「さん」は付いていませんが「お稚児」も、
「オ/チゴ」
と「平板アクセント」で載っていました。「さん」を付けたら標準語では、
「オ/チゴサン」
でしょう、ただ「関西弁アクセント」だと、
「オ/チ\ゴサン」
という「中高アクセント」も「あり」かもしれません。
いずれにせよ、自分でアクセント辞典を引いて確認するということを、「他山の石」として実行したいものです。先輩も、いつまでも教えてくれないよ。


