『戦争は女の顔をしていない2』(作者:小梅けいと・原作:スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ・監修:速水螺旋人、KADOKAWA:2020、12、26第1刷・2022、5、10第5刷)

2022 . 6 . 8

2022_068

 

ジャーナリストとして初めてノーベル文学賞を受賞したスヴェトラーナ・アレクシエーヴィチの作品の漫画化。ノーベル文学賞受賞作が「漫画化」されるというのは珍しく、話題になった。

「女性」ジャーナリストであるスヴェトラーナ・アレクシエーヴィチが、戦争(独ソ戦)に「兵士」として参戦した「女性」たちに聞き取りをしたもの。「女性から見た戦争の内部」の貴重な証言である。

「500人を超える独ソ戦従軍女性のオーラルヒストリー、待望の続編、ついに」

と帯に書かれた「おびただしい言葉の数々」を紹介すると、

「あたしはここで生きているんじゃない。あたしは戦争の中で生きているの」

「戦闘のあと、誰も生き残っていないことがあったの。大釜いっぱいスープを作ったのに、誰も食べてくれるものがいないってことが」

「夜中にね、コルホーズの厩舎で馬糞を盗んで食べたの」

「死んだら…魂はどうなるのか知らないけど、両手は休めるんだろうね」

「死人は生きている人よりずっと重い。そういうことがまもなくわかった」

 

今のロシアの「ウクライナ侵攻」を思わずにはいられない。

こういった言葉を引き出すまでにかかった時間も、すごいと思う。

 

 

(2022、5、26読了)