8513「受け継ぐと引き継ぐ」

2022 . 6 . 3

8513

 

6月1日の「ミヤネ屋」で、持続化給付金詐欺容疑で指名手配されている、

「谷口光弘容疑者(47)」

がインドネシアに行く際に、自らの会社の経営を引き継いでほしいと言われた男性にインタビューしていました。

その紹介の肩書のテロップの発注が、

「谷口容疑者の会社を受け継いだ男性」

というものでしたが、この

「受け継いだ」

に違和感がありました。

「受け継ぐ」

という言葉は、

「伝統、精神、DNA、脈々と流れるもの、個人に属するもの」

に対して使うのではないでしょうか?それに対して、

「引き継ぐ」

という言葉は、

「経営、運営、役職、社会の中でのポジション」

などに関して使う気がします。そうであれば「会社」は「その経営・運営」ですから、

「引き継ぐ」

を使う方が、落ち着きがいいですね。ということで、そう修正して放送しました。

グーグル検索では(6月2日)

「会社を引き継ぐ」=40万9000件

「会社を受け継ぐ」=18万2000件

でした。

「会社」であっても「親から子へ」ならば、

「親から受け継いだ会社」

という表現はあると思いますが。

検索した中に、

「事業承継(しょうけい)」と「事業継承(けいしょう)」の違いに書かれたものがありました。それによると、

*「承継」=先代から「地位や精神、身分、仕事、事業を受け継ぐ」という意味

*「継承」=先代から「義務や財産、権利を受け継ぐ」ことを意味

で、「受け継ぐもの」が異なると。

*「承継」=先代が守ってきた形のない抽象的なもの・精神的な意味をもつものを受け継ぐ*「継承」=先代や先任者が所有していた形あるもの・具体的なものを受け継ぐ

のだそうです。その意味では、

「引き継ぐ」=継承

「受け継ぐ」=承継

なのかもしれません。

 

(2022、6、2)