なかなか魅力的なタイトル。
「味ことば研究ラボラトリー」というのは瀬戸先生を中心とした研究会というかサークルのような感じなのだろうか。まず「序章」として瀬戸先生が「ことばと味」の関係について概説を述べ、その後の「メニュー」は、各「研究員」が紡いでいく。
「コク・キレ・のどごし」(宮畑一範)
は、ちょっと硬い感じがして、のどごしが良くないような。
「生(なま)の味と魅力」(瀬戸賢一)
は、まあ、わかっていたことの再確認みたいな感じ。
「味の「宝石箱」のヒミツ」(辻本智子)
は、味そのものではなく、それを「箱」で表現したことの新しさを述べ、
「女の『うまい』・男の『おいいしい』」(稲永知世)
は、言葉遣いに関するジェンダー論だ。結論は「そうだろうな」というものではあったが、確認したところに意義がある。
ここまでは本当に「論文集」みたいに硬くて難しかった。読み物としてのおもしろさには欠けた。第2部に入ってからの方が面白かったな。(個人の味の感想です。)
「マンガな味」(山口治彦)
「カレーなるおいしさの表現」(小田希望)
「ラーメンの味ことば」(山添秀剛)
「お菓子のオマトペ」(無糖彩加)」
結局「具体性のある食べ物」について語る方が、興味が湧くのかもしれませんね。
(2022、6、23読了)


