6月6日の「ミヤネ屋」で、放送前にディレクターから、
「『日本の個人資産2023兆円の半分以上=1092兆円』という場面で、『過半数』という言葉を使ってもいいですか?」
という質問を受けました。最初は軽く、
「いいんじゃないの?意味の上では」
と答えたのですが、念のため辞書を引いてみたところ、「過半数」は、
「人数」「票数」
の用例しか出て来ないのです。そして『精選版日本国語大辞典』の用例も、
「1880年代」
つまり「明治時代」になってからでした。だとすると、
「『過半数』は『英語の翻訳語』なのではないか?」
と思いました。
逆に、英語で「過半数」は何と言うのか?和英辞典を引いてみました。すると、
「majority(マジョリティー)」
と出てきました。つまり、
「多数派」
ですね。やはり「過半数」は「民主主義関連」の言葉か。そうだとすると、
「『単なる金額』に『過半数』を使うのは、なじまない」
ということになります。そこで、表現を
×「過半数」→〇「その半分に当たる」
に変えてもらったのでした。
(2022、6、8)


