8509「大阪『キタ』のアクセント」

2022 . 6 . 2

8509

 

4月27日、お昼のニュースの前に、林マオアナウンサーが質問して来ました。

「大阪の『キタ』『ミナミ』のうち『キタ』のアクセントは、ニュースで読む場合は、

(A)「キ\タ」(頭高)

(B)「キ/タ」(平板)

どちらで読みばいいんでしょうか?」

「うーん、まあ『ミ\ナミ』が『頭高アクセント』だから、それに合わせて『頭高』の『キ\タ』でいいんじゃないかなあ」

と答えました。

読売テレビのアナウンサーと元アナウンサーにもメールで聞いてみたところ、以下のような結果に。

(A)「キ\タ」(頭高)=6人

(B)「キ/タ」(平板)=7人

(両方可)      =1人

個別の内容は、

OAアナ>(A)「キ\タ」(頭高)

<ОZアナ>(A)

<МT元アナ>(A)です。「キ」にアクセントです。

<ОRアナ>(A)「キ\タ」(頭高)

<Nアナ>大阪出身としては(A)で読みたいところですが、ニュースだと(B)で読む方が良いのか?悩むところです。しかし「ミナミ」は迷わず「頭高」で読み、「平板」では読みません。そこと合わせるのであれば(A)なのでは?と思いました。関西出身かどうかで、意見が分かれそうです。

<HSアナ>私は(A)の「頭高」で読みます。「ミナミ」が「平板」ではなく、そもそも「関西弁アクセント」の「頭高」なので、その対義語とも言える「キタ」も「頭高」の「関西弁アクセント」のほうが、言葉の意味がより伝わりやすいかと思います。

<HМアナ>(B)

<МSアナ>(B)「キ/タ」(平板)無声化の最初の音なんで、頭高でも違和感はあまりないはず。その流れから、発音すれば平板もダメではない。寧ろ、有声で言ってしまう関西の方には頭高でないのは違和感!と感じるでしょう。それより、「き」をきっちり無声化できる発音になるべきでしょう。

<SSアナ>(B)平板

<Tアナ>(B)

<SМアナ>(B)平板

<МD元アナ>(B)の平板。営業部員で、普段「北新地」で接待をしている数名にも聞きましたが、皆さん「平板」でした。

I元アナ>(B)平板

HAアナ>(A・B両方使う)悩ましいところなので、次のように日和っています。

(A)「キ\タ」(頭高)=大阪らしさを出すナレーションや、大阪の代表的繁華街の名称としてまったくの単独で使う場合に頭高。また「キタとミナミ」なども頭高。

(B)「キ/タ」(平板)=ニュースで、前段に「大阪」が付く「大阪キタ」の場合は平板にしてしまっています。ニュース原稿内では頭高だと読んでいて感覚的に違和感が残るので。

ということでした。

 

 

 

(2022、6、2)

在阪他局の知り合いにも聞いてみました。

【МBS・A氏】(A)「キ\タ」の繁華街は「頭高」で、「ミ\ナミ」と同じく「関西式」で統一しています。

【МBS・B氏】(A)「ミナミ」「キタ」は、「方角とは別の言葉」として、「頭高」の「ミ\ナミ」「キ\タ」です。全国ネットでも同じです。そのように新人にも教えます。

【テレビ大阪】

アナウンス部に聞いたところ、結果は以下の通りです。

(1)「キ\タ」(A)6人

その他某局のアナウンサーにも聞いたところ

(A)「キ\タ」(頭高)6人

(B)「キ/タ」(平板)3人

ローカル情報番組であれば(A)「頭高」も可とする意見もあり。

 

という結果になりました。全部合計すると、

(A)「キ\タ」(頭高)=20人

(B)「キ/タ」(平板)=10人

(両方可)      = 1人

ということになりました。

うわー、「真っ二つ」やあ。