5月25日の「ミヤネ屋」の原稿の中に、
「“コロナ”の感染を広めた可能性」
というのが出てきました。それを見て、「ちょっと待てよ。」と。これは、
「広めた」
ではなくて、
「広げた」
ではないのか?と思ったのです。つまり、
「広める」「広げる」
の違いはどういったところか?というものです。
この場合の「感染」は「広げる」ですね。「広げる」は、
「物理的な範囲」
を示している気がします。「被害を広げる」「勢力範囲(支配地域)を広げる」「風呂敷を広げる」「スカートのすそが広がる」など。
それに対して、「広める」は、
「思想・教え・教育」
など「内容」に関して使う気がします。「仏教(キリスト教・イスラム教)の教えを広める」「LGBTQへの理解を広める」「憲法九条の精神広める」「変な噂が広まる」など。
「広い」の反対は「狭(せま)い」なので、「狭い」で考えると、
「狭(せば)める」「狭(せば)まる」
とは言いますが(「せまい」の「ま」が「ば」に変わるんだ!)、
「狭げる」「狭がる」
とは言わず、
「狭くする」「狭くなる」
というように「形容詞(連用形)+する・なる」の形ですね。
似たような言葉で考えると、
「高める・高まる」
は言いますが、
「高げる・高がる」
とは言いませんね。
文語では、
「広める」=広む
「広げる」=広ぐ
なのかな。
ということは、語幹が「形容詞」の場合は、「める」「まる」が付くけれど「げる・がる」は付かない。「げる・がる」が付くのは「動詞」ということか。
「広める・広まる」の「広」は「形容詞」だけど、
「広げる・広がる」の「広」は「動詞」(広げる)の語幹だということか!
うーん、奥が深い!
ということで、
×「感染を広めたら」→〇「感染を広げたら」
と直しました。
(2022、5、25)


