芥川龍之介『西方(さいほう)の人』(新潮文庫)」を読みました。この、
「西方の人」
というのは、
「イエス・キリスト」
を意味しているそうです。ちなみに、
「東方の人」
は、
「ブッダ」
ですね。その139ページに、
「人の子」
という言葉が出て来ました。解説にはこう書かれていました。
「『人の子』 芥川はこの言葉を『新約聖書』から採ったのだが、新約では普通一般の人間の子という意味ではなく、イエス・キリストの自称として使われている。そしてこの自称は、キリストが人間の罪を赦(ゆる)すという神的権威を持った存在であることを示し、人間の救済者でいながら人間から迫害をうける、人間的権威と対立する者であることをあらわしている。」
とありました。
合唱をやっている私が「人の子」と聞いて思い出すのは、
「カンタータ『土の歌』の『大地讃頌』」
の歌詞に出てくる、
「我ら 人の子の喜びはある」
「人の子ら 人の子 その立つ土に感謝せよ」
「我ら人の子の 我ら人の子の 大地を誉めよ」
です。
だとすると「人の子」というのは、単純な普通名詞の「人=人間」ではなく、
「キリスト教の言葉」
なのでしょうか?調べてみました。
すると、やはり「大地讃頌」の作詞者である、
「大木惇夫氏」
は「クリスチャン」であることが分かりました。
そうだったのかあ。40年ほど、何も知らずに歌ってきた!
「新約聖書」には、イエスが「人の子」といわれる言葉は「88回」も出て来るそうです。
イエスが人の子だと言うのはどういう意味ですか? (gotquestions.org)
キリストが「人(=マリア)」から生まれたということで、「神」であるけど「人間(人の子)」でもあると。例の、
「三位一体」
に関わる言葉のようですね。単純に見える言葉だけど、ちょっと引っかかるなあと思っていたのでしたが、スッキリしました。


