2年半ぶりに行った大阪・梅田の紀伊国屋書店の、一番出口に近い所の端の方に陳列されていた、赤い表紙の「インターナショナル新書」の新刊。このところ「赤い表紙のインターナショナル新書」を立て続けに読んでいる気がする。好みの「ネタ」を出してくるお寿司屋さんのような感じか?
「『ウルトラセブン』の音楽はいかにして生まれたのか?」
という帯の文字とウルトラセブンの写真も心をくすぐる。おお、インターンショナル新書の「赤い表紙」はまさに「セブン」の色ではないか!「ライダー」では、こうはいくまい。あ、マフラーの色が「赤」か。
著者で、「ウルトラセブン」の曲の生みの親である冬木透さんは、1935年(昭和10年)3月、満州・新京で生まれました。音楽の原風景はここにあると言います。
戦後、引き揚げて広島に住みエリザベト音楽短大に進み、教会の音楽で育ったと。「グレゴリオ聖歌」に触れ、そこでパイプオルガンの組み立て作業も経験。著名なピアニスト、ヴィルヘルム・ケンプにも会うという貴重な体験もできたそうです。クラシック畑の人だったのですね。短大では飽き足らず、東京で音大(国立音大)に通う学費を稼ぐために東京放送(今のTBS。まだラジオしかなかった)に正社員で入ったと。でも割とすぐ辞めちゃうんだけど、番組で音楽を作る仕事は、フリーになってもそのまま続いたようです。ある意味、古き良き時代だったのかも。
国立音大の作曲家で師事した先生は、何と「高田三郎」!合唱をやっている人間なら、必ず知っている作曲家です。そうだったのかあ。
あの名曲の冒頭、
「♪セブーン、セブーン、セブーン、セブーン、セブンセブンセブン」
という印象的な歌詞は、実はまだ歌詞ができていなかったので、仕方なく「ウルトラセブン」の「セブン」を繰り返したのだとか!また、
「♪ワン・ツー、スリー・フォー、ワン・ツー、スリー・フォー、ウルトラーセブン」
という「スキャット」がカッコいい「科特隊」の歌ですが、あの時代「スキャット」って流行ってたんですね。由紀さおりさんの「夜明けのスキャット」もそうだし、「サントリーウイスキー」のカッコいい、
「♪ダンダンダバーダドゥビドゥバー」
もそうだし、「11PM」のテーマソング、
「♪シャバダバシャバダバー」
も、ネスカフェ・ゴールドブレンドのCМの、
「♪ダバダー、ダーダー、ダバダー、ダバダー」
もそうだし、歌詞のない歌が、結構あったという「流行」の影響もあったのでしょうね。
「スキャット」、カッコイイなと、改めて思いました。
「ウルトラセブン」の前の番組は「キャプテン・ウルトラ」。その音楽担当は、シンセサイザーで世界的に有名になったあの「冨田勲さん」だったのですが、「セブン」のスタッフは、
「(キャプテン・ウルトラに)絶対に負けるな!」
という意識を強く持っていたそうです。おもしろいねー。
いろいろと、大変ためになることが、たくさん書かれていましたよ!


