8444「決定機を許してしまうも」

2022 . 5 . 6

8444

 

 

4月17日のネット記事で、海外サッカーのニュースを見ていました。16日に行われたイングランド・プレミアリーグ、現在7位の「マンチェスター・ユナイテッド」と、最下位の「ノリッジ」の試合です。その中に、

「立ち上がり、マンチェスター・Uは、最終ライン裏を突かれたプッキに決定機を許してしまうも、ここはタイミングよく飛び出したGKデ・ヘアが一対一でストップ」

とありました。この、

「裏を突かれたプッキに決定機を許してしまう」

という文章もおかしくて、正しくは、

「裏を突いたプッキに」

か、もしくは、

「裏を突かれ、プッキに」

ですよね。でもそれより気になるのはこの、

「決定機を許してしまい」

です。そもそも、スポーツ記事には、

「~も」

という「逆接表現」が、とてもたくさん出て来ますが、好きではありません。

「~したが」

でいいじゃないですか。

ま、それはさておき、

「“先制点”を許してしまう」

なら分かりますが、

「“決定機”を許してしまう」

はおかしくないですか?結局、

「失点しなかった」

んですよね。なーんか、納得のいかない表現だよなあ。

グーグル検索では(5月5日)、

「決定機を許してしまう」=1万6800件

結構ありますが、大体「許してしまう」と言っておきながら、

「失点していない」

んですよね。これに対して実際に「失点している」ケースは、

「先制点を許してしまう」=83万9000件

と、1ケタ違います。さらに、

「決勝点を許してしまう」=9440件

これは少ないか。

ということは、私の想像ですが、元々は「先制点」に特化して、

「先制点を許してしまう」

という形で使われていた、

「~を許してしまう」

という成句が、最近、拡大されて「決定機」という言葉にも使われているのではないか?

そして「決定機」を「許した」ら、普通は、

「点が入る(失点する)」

わけです。だから「決定機」と言うんですから。

でも「決定」したなら、それ(ゴール)を書けばいいけれど、「決定機」と「機」を付けるということは、

「外した」「決まらなかった」

ことが、容易に想像つきますよね。

スポーツの記事は、まるでリアルタイムに行われているかのように、ドキドキハラハラさせる、つまり、

「疑似生体験」

をさせる原稿を求められるので、こういった「ストレートではない」、ちょっとひねった表現が生まれてくるのではないでしょうか?でも、それって、

「わかりにくい」

です。どうせ、結果は分かっているんだから、ストレートに書いた方がいいと思いますよ、読者のためにも。

 

(2022、5、5)