4月4日の「ミヤネ屋」に出演してくれた、ウクライナの取材をしているカメラマン・児玉浩宜(ひろのり)さんが、インタビューの中で、
「フラットな視点」
という言葉を使いました。この、
「フラット」
を日本語に置き換えるとどうなるか?考えました。普通は、
「段差のないフラットな床面」
のように、
「平らな」
という意味で使われたり、
「音程がちょっとフラット(♭)気味だな」
と言えば、
「ぶら下がり気味、低め」
という感じ。また、
「記録は10秒フラットでした」
と言えば、
「(10秒)ちょうど。きっかり」
の意味ですし、
「うちはこのフラットに住んでいる」
という場合は、
「マンションの、そのフロア全部」
を指します。でもこの「フラットな視点」は、それらの意味ではないですよね。
「いろいろ前提条件など知識を持ち込むことなく、考えを更地のようにして」
という感じですが、短い言葉が思いつきません。いくつか辞書を引きましたが「平らな」「音楽のフラット」等しか載っていません。ネット検索したら、
「先入観なしに」
という訳語があって、「これだ!」と思い、この日のテロップでは、
「フラットな(先入観のない)視点」
としました。
放送後に『明鏡国語辞典・第三版』『新選国語辞典・第十版』『新明解国語辞典・第八版』『大辞林・第四版』も引きましたが、載っていませんでした。
ところが『三省堂国語辞典・第八版』を引いたら、
「3番目の意味」
として、この、
「先入観なしに」
が載っていて、さすがだなと思いました。
すごいな、『三省堂国語辞典』、飯間さんは。
(2022、4、4)


