これは何と「2009年11月5日」に書き始めて「2010年5月28日」に書き継いだままになっていました!
書き始めたきっかけは覚えています。2009年の11月3日、毎年「文化の日」に兵庫県・伊丹市の「いたみホール」で行われる男声合唱フェスティバル「バッカス・フェスタ」に参加した帰り、駅に向かう細い道で見つけた飲み屋さんの看板が、
「ベネチア」
だったか、
「ヴェネチア」
だったかで、「そういえば、この地名の表記は揺れているようなあ、調べてみよう」と思ったことでした。
「令和ことば事情8434アラビアか?アラビヤか?」は、「1年間」ほったらかしになっていたけど、これは書き始めからは「13年」もほったらかし!よく削除されなかったものだ。
「ベネチア映画祭」の「ベネチア」には「4通りの表記」があります。どれが多いのかをグーグル検索してみました。「2009年11月5日」検索。
それによると、
「ヴェネツィア映画祭」= 8440件
「ヴェネチア映画祭」=7万2900件
「ベネチア映画祭」 =4万9800件
「ベネツィア映画祭」=1万7000件
ということで、
「ヴェネチア映画祭」
が一番多かったです。でも、原語に忠実ならば、
「ヴェネツィア」
じゃないのかなあ?件数は少なくて「ヴェ」だけ原語っぽい感じで、「チア」は日本語っぽいのが多いですね。
さて、13年ぶりに検索してみましょう!どうなっているかな?タイムマシンみたい。
13年前と並べてみると、
【2009年】→ 【2022年】
「ヴェネツィア映画祭」= 8440件→ 2万6300件
「ヴェネチア映画祭」 =7万2900件→ 5万2600件
「ベネチア映画祭」 =4万9800件→11万9000件
「ベネツィア映画祭」 =1万7000件→ 3170件
おお、すごい変化が!
一番、原語(イタリア語)的な表記の「ヴェネツィア映画祭」が、3倍に!
原語的「ヴェ」に、日本語的「チア」がくっついた「ヴェネチア映画祭」は、3割減。
ベタで簡単な日本語カタカナ表記の「ベネチア映画祭」が2倍以上に!
そして「ヴェ」は嫌だけどちょっとだけ原語っぽく「ツィア」にした「ベネツィア映画祭」は、なんと「6分の1」に激減です!
ここからわかることは何か?
「カタカナ表記の2極化」
ですね。
「本物志向」の人は「ヴェネツィア」を採用し、
「日本語でいいや」という人は「ベネチア」に分かれたわけです。英語読みの「ベニス」は残ったのかな?シェイクスピアの「ベニスの商人」は「ベニス」で定着しているなあ。あ、そういえば、ウクライナの首都の地名でロシア語読みの「キエフ」が、ウクライナ語読みの「キーウ」に変更されましたけど、これまで「キエフ」で定着していたものは、そのままですよね?「ベニスの商人」も恐らくそのままで、「ヴェネツィアの商人」にはならないでしょう。
しかし、中間層は、かなり少なくなりました。
これは、もしかしたら世の中の色々なことを反映しているのではないでしょうか?
おもしろいなあ!


