8402「シロップか?シラップか?」

2022 . 3 . 28

8402

 

みかんや桃の缶詰に詰まっている「甘い汁」のことを、皆さんは何と言いますか?

そうですね、

「シロップ」

ですよね。ところがこれを、

「シラップ」

ということがあるというのです。

実は「シロップ」というのは、

「オランダ語読み」

で、「英語」では、

「シラップ」

のほうが発音が近く、「JAS(日本農林規格)」では、

「シラップ」

になっているのだそうです。いやあ知らなかったなあ・・・「シラップ」というのは初めて目にし、耳にしました。一般的に放送では、

「シロップ」

でいいのではないでしょうかね。もし「シラップ」を使うならば「固有名詞的な扱い」になるのでしょうか。

辞書を引いてみたら、

『広辞苑』は空見出しで「シラップ(syrup 英語)」があり、「シロップ(siroop オランダ語)」を見ると語釈の中に「濃厚な砂糖溶液。単舎利別(たんシャリベツ)。シラップ。砂糖蜜」とありました。

「シラップ」もさることながら、

「単舎利別」!?

これも引いてみたら、

「シャリベツ【舎利別】(sirupus ラテン語)=白糖の濃厚溶液。シロップ。」

とありました。

『精選版日本国語大辞典』『現代国語例解辞典』『三省堂現代新国語辞典』『NHK日本語発音アクセント新辞典』には「シロップ」しか載っていません。

『新選国語辞典』も「シロップ」のみですが、「医薬用のものは単シロップという」とありました。これは「単舎利別」と同じでしょうか?

『新明解国語辞典』『岩波国語辞典』『大辞林』も見出しは「シロップ」だけですが、語釈の中に「シラップとも」とあり、『新明解』は「シャリベツ」も、カタカナだけで載っていました。

グーグル検索では(3月25日)

「シロップ・砂糖水」 =14万3000件

「シラップ・砂糖水」 =   7350件

「シャリベツ・砂糖水」=      4件

「舎利別・砂糖水」  =   5370件

でした。「シラップ」の20倍、「シロップ」が使われているようですね。

それにしても「シラップ」という読み方は「シラップ」なかったなあ。

 

(2022、3、28)

(追記)

10月3日付の「毎日新聞・夕刊」に「シラップ」が載っていました。「1939年」の広告だそうです。「右→左」に読むのですね。

(2022、10、4)