いつも買う漫画雑誌『モーニング』(講談社)を読んでいたら、ラブコメディーの、
『焼いてる二人』(ハナツカシオリ)
の中で、こんなセリフが出て来ました。
主人公夫婦の妻の友人女性が、「彼氏」だと思っている(彼女は「彼氏」と思っていて一見、二人は付き合っている感じだが、彼は彼女のことを「友達」だと思っていて、“彼女の片思い風の関係”)、
「みっくん」(私ではありませんby道浦)
が、友達に誘われ、人数合わせで仕方なく、
「合コン」
に出なきゃならないという状況で、彼女は妄想を膨らませて「最悪の場面」を想定して、勝手に頭を抱えます。
そこでのモノローグ風のセリフが、
「みっくんが お持ち帰られる!!」
というもの。
「“お持ち帰り”する」
は、食品だと「テイクアウト」ですが、人間(=男、あるいは女)を「食べ物」に見立てて、飲み会の帰りに、二人でどこかに“時化(しけ)込む”(この表現がもう、死語)、その際に
「(男性が女性を)お持ち帰りする」
という俗語表現がありますね。今や男女の関係が逆になって、
「(女性が男性を)お持ち帰りする」
こともあるのでしょう。あるいは「同性」でも?それを想像して彼女は「受身形」で、
「お持ち帰りされる」
と言いたかったのでしょう。それは、
「『お持ち帰り』という名詞」
に、「する」の受身形である「される」を付けて、「お持ち帰りされる」です。
しかし、彼女はもう、「お持ち帰り」を、
「『お持ち帰る』という『動詞』」
として捉えて「受身形」にして、
「お持ち帰られる」
にしてしまったところに、漫画らしい新しい言葉の誕生があって面白いなと思いました。
「持ち帰る」
という動詞はありますが、「お」が付いた形の、
「お持ち帰る」
という動詞はありません。
グーグル検索では(3月2日)
「お持ち帰り」 =3420万0000件
「お持ち帰り・男女」 = 635万0000件
「お持ち帰りする・男女」 =53万3000件
「お持ち帰りされる・男女」=88万4000件
「お持ち帰られる」 =11万1000件
出て来ました。


