8376「十八成浜」

2022 . 3 . 9

8376

 

 

3月8日のテレビ朝日のお昼のニュースを見ていたら、東日本大震災の被害を受けた地域から中継をしていました。その地名が、宮城県「石巻市」の、

「十八成浜」

というところでした。これで、

「くぐなりはま」

と読むのだそうです。これは難読地名だなあ。と思って「くぐなり」でネット検索してみたら、なんと同じ宮城県の「気仙沼市」にも「くぐなりはま」があったのです!ただしちょっと漢字は違って、

「十八鳴浜」

でした。「なり」は「鳴」のほうが「海鳴り」っぽくて、地名にはフィットする感じがします。それよりも疑問は、

「なぜ、『十八』を『くぐ』と読むのか?」

ですよね。少し考えて出た答えは、

「九+九=十八」

なのではないか?

ということです。「九九」だと掛け算で「八十一」になりますけど、ここは「足し算」では?

ただ、たぶん「海鳴り」が「クグ」と聞こえるか「くぐもって」聞こえるかしたところからついた名前に「当て字」をしたのかな?と思います。

「漢数字」の「九」で言うと、もうちょっと南の方には、

「九十九里浜」

もあります。これは海岸線が長いので「九十九里」なのでしょうけど。(「百里基地」もあったな。)地名に「漢数字」を当て字すること自体は、昔はよくあったのではないか?と思われますね。ちょっとした「なぞなぞ」か「クイズ」みたいですね。

さらに資料を検索してみたら、ともに本来は濁らずに、

「くくなりはま」

と読み、その語源は、海岸の砂浜を歩くと「鳴き砂」のように、

「クック」

と音がするところからで、表記に関してはやはり、

「九+九=十八」

というシャレから来ているようですね。

他にも「十八」と書いて「くぐ」と読む地名はあるのか?検索してみたら、「コトバンク」に、この宮城の「十八成浜」「十八鳴浜」以外に、砂浜が音を出す海岸として、

「牡鹿半島の鳴(なら)浜」

「能登半島の泣(ごめ)き浜」

「丹後半島の琴引浜」

「島根県邇摩郡の琴ヶ浜」

と、外国では、

「中国の敦煌にある鳴沙山」

も「砂が鳴く現象」から命名されていると紹介されていました。近畿地方の人なら、

「丹後半島の琴引浜」

は、よく知っていますね。

でも「十八」と書いて「くく(くぐ)」という地名は、出て来ませんでした。

 

(2022、3、9)