3月8日のテレビ朝日のお昼のニュースを見ていたら、東日本大震災の被害を受けた地域から中継をしていました。その地名が、宮城県「石巻市」の、
「十八成浜」
というところでした。これで、
「くぐなりはま」
と読むのだそうです。これは難読地名だなあ。と思って「くぐなり」でネット検索してみたら、なんと同じ宮城県の「気仙沼市」にも「くぐなりはま」があったのです!ただしちょっと漢字は違って、
「十八鳴浜」
でした。「なり」は「鳴」のほうが「海鳴り」っぽくて、地名にはフィットする感じがします。それよりも疑問は、
「なぜ、『十八』を『くぐ』と読むのか?」
ですよね。少し考えて出た答えは、
「九+九=十八」
なのではないか?
ということです。「九九」だと掛け算で「八十一」になりますけど、ここは「足し算」では?
ただ、たぶん「海鳴り」が「クグ」と聞こえるか「くぐもって」聞こえるかしたところからついた名前に「当て字」をしたのかな?と思います。
「漢数字」の「九」で言うと、もうちょっと南の方には、
「九十九里浜」
もあります。これは海岸線が長いので「九十九里」なのでしょうけど。(「百里基地」もあったな。)地名に「漢数字」を当て字すること自体は、昔はよくあったのではないか?と思われますね。ちょっとした「なぞなぞ」か「クイズ」みたいですね。
さらに資料を検索してみたら、ともに本来は濁らずに、
「くくなりはま」
と読み、その語源は、海岸の砂浜を歩くと「鳴き砂」のように、
「クック」
と音がするところからで、表記に関してはやはり、
「九+九=十八」
というシャレから来ているようですね。
他にも「十八」と書いて「くぐ」と読む地名はあるのか?検索してみたら、「コトバンク」に、この宮城の「十八成浜」「十八鳴浜」以外に、砂浜が音を出す海岸として、
「牡鹿半島の鳴(なら)浜」
「能登半島の泣(ごめ)き浜」
「丹後半島の琴引浜」
「島根県邇摩郡の琴ヶ浜」
と、外国では、
「中国の敦煌にある鳴沙山」
も「砂が鳴く現象」から命名されていると紹介されていました。近畿地方の人なら、
「丹後半島の琴引浜」
は、よく知っていますね。
でも「十八」と書いて「くく(くぐ)」という地名は、出て来ませんでした。


