8340「飯蛸のアクセント」

2022 . 2 . 10

8340

 

去年12月に発売された『三省堂国語辞典・第八版』を読んでいます。

この「第八版」の新機軸の一つは、

「アクセントを取り入れたこと」

だと思います。「見出し語」の横に「赤線」でアクセントが示されていますが、当然のことながら、アクセントは「1種類」しか示せません。本当は2種類以上のアクセントを持つ場合もあると思いますが、それは「アクセント辞典」を見てくださいということで、

「一番優勢なアクセントだけ」

を採用しているものと思われます。「アクセント辞典」ではなく「国語辞典」だから、仕方ないですね。

で、今「い」のところを読んでいますが、その中で気になったのが、

「飯蛸(イイダコ)」

のアクセントですこれが「平板アクセント」の、

「イ/イダコ」

を採用しているのです。それを見て私は、

「え?『飯蛸』は『頭高アクセント』じゃないの?」

と思いました。つまり、

「イ\イダコ」

じゃないのか?と思ったわけです。

そこで『NHK日本語発音アクセント新辞典』(2016年)を引いてみたら、

「イ/イダコ」(平板)「イ\イダコ」(頭高)

の順で「2種類」載っていました。

また、同じ三省堂の『新明解日本語アクセント辞典』(2010年)では、

「イ\イダコ」(頭高)

しか載っていませんでした。

そうすると、この11~12年で、「飯蛸」のアクセントは、

「頭高→平板」

に変化してきているということですね。

飯蛸は、気付いているのか?

これでイイダコ?

 

(2022、2、10)