8350「『派遣』か?『派兵』か?」

2022 . 2 . 25

8350

 

 

ロシアがウクライナへ軍隊を送ることを決めたというニュースが出た2月22日。「ミヤネ屋」では、

「派遣」

という言葉を使いましたが、

「派兵」

なのではないか?と気になりました。

この日の夕刊各紙の見出しは、

「朝日新聞」だけ「派遣」

「読売・毎日・産経・日経」の各紙は「派兵」

でした。ただ、本文を見るとバラバラで、

【見出し】 【本文】

(読売)派兵   部隊の派兵

(朝日)派遣   ロシア軍の部隊を両地域に派遣

(毎日)派兵   軍の部隊を派遣

(産経)派兵   軍を派遣

(日経)派兵   ロシア軍を派遣

でした。つまり、

「軍隊(部隊)の派遣」=「派兵」

なので、

「文字数によって使い分けている」

ということなのでしょうかね?

ちなみに、今から19年前(!)の日本時間「2003年4月5日」に、米英軍が、

「イラクのバグダッド市街に攻め入った際」

の各紙夕刊の見出しの文字は、

(読売)バグダッド進攻

(朝日)バグダッド侵攻

(毎日)首都に侵攻

(産経)バグダッド市内進攻

(日経)バグダッド進攻

でした。「平成ことば事情1127侵攻と進攻」で書いていました。

「どちらの立場に立って書いたか」

によって、

「侵攻」「進攻」

が変わってくるのですね。

しかし今回は、そういう違いは見られないようです。その証拠に、2月25日の朝刊各紙は全紙、

「侵攻」

でした。

 

(2022、2、25)