8313「二刀流と二足のわらじ」

2022 . 1 . 21

8313

 

2021年9月9日「日経新聞・夕刊」で、

「競泳と野球 二刀流に挑戦」

という見出しで、東京・日大豊山高校1年の光永翔音君を紹介しています。

2022年1月4日の「日経新聞・夕刊」でも、

「競輪と二刀流 台風の目に」

という見出しが。2018年の平昌冬季五輪のフリースタイルスキー・モーグル男子で「銅メダル」を獲得した原大智選手(24)が、ワールドカップで自己最高の2位に入って、北京冬季五輪の派遣基準をクリアしたという記事です。

2019年に競輪学校に入り、2020年5月に競輪デビュー。その年の冬からモーグルに復帰して、

「両立生活が始まった。」

ブランクの影響も埋めて余りあるほど、競輪への挑戦で得たものは大きいとのことで、

「『全く別のスポーツをやっている感じ』というとびきりの二刀流をひっさげ、北京でも再び台風の目になるか」

と、西堀卓司記者は期待を寄せています。

一方、2022年1月21日の「産経新聞・夕刊」では、

「高校野球と絵筆 二刀流」

という見出しで、島根・開星高校野球部監督で、元・美術家教師だった、野々村直通さん(70)を紹介しています。野球部監督は、辞任・復帰・定年勇退後に一昨年、乞われて監督に復帰。松江市内のギャラリーで似顔絵の絵筆も取っているのだそうです。つまり、

「2つの異なる種類のことをやる」

場合を指して、

「二刀流」

という表現が使われるのでしょうね。もちろんこれは、メジャーリーグで、

「ピッチャーとバッター」

両方をやって大活躍している、

「大谷翔平選手」

の影響でしょう。間違いない!

以前ならこれは、

「二足のわらじ」

と表現していたはずです。でも本来の「二足のわらじ」は、

「ばくち打ちと岡っ引き」

のように、

「相反する2つの職業をやっている場合」

を指していたから、

「単に2つのことをやっているのを指して使うのは、間違い」

とも言われました。

そこへ、大谷翔平選手の登場で、

「これだ!」

となったのでしょうね・

ちなみにこの野々村直通さんの記事の「見出し」は「二刀流」なのですが、「リード部分」では、

「二足のわらじ生活に迫った。」

と、藤原由梨記者は書いていました。

そして去年12月17日に出た「三省堂国語辞典・第八版」で「二刀流」を引くと、その用例(作例)に、

「二刀流の創始者 宮本武蔵」

とともに、

「投手でも打者でも活躍する二刀流」

と、名前こそ書いていませんが、明らかに「大谷翔平選手」のことを意識した例が記されていました!

 

(2022、1、21)