『隠蔽捜査9 探花』(今野敏、新潮社:2022、1、20)

2022 . 1 . 28

2022_006

 

 

「探花(たんか)」と読む。文字通り「花を探す」という意味もあるが、中で説明が出てくるように、昔の中国の官僚試験「科挙」の最終試験において、1番の成績で合格した人を「状元(じょうげん)」、2番目は「榜眼(ぼうがん)」、3番で合格した人を「探花(たんか)」と呼んだそうだ。知らなかった。それで、この物語の主人公である神奈川県警の刑事部長・竜崎伸也は、警察官の国家公務員試験で、「3番」で合格したということで「探花」なのだ。主人公を指している。そこに、同期・トップで合格した(状元)の八島が、福岡県警から神奈川県警の警務部長に異動してくる。主人公・竜崎の親友で、2番で合格(榜眼)し警視庁の刑事部長である伊丹が絡んで、横須賀で起きた殺人事件を解決していく痛快警察小説。

シリーズ9作目。やはり面白い。

それにしても、これもいわゆる「お仕事小説」に入ると思うんだけど、小説家の人って、どれだけ取材しているんだろう?警察官を描いた漫画の『ハコヅメ』は、元警察官の女性が描いているけど、この著者は「元警察官」じゃないよね?詳しいなあ。取材が深いということなのかなあ、と思いました。

まだ映画化やドラマ化は、されてないんだっけ?してほしいです。

 

 

(2022、1、28読了)