きょう(12月9日)もきょうとて、「ミヤネ屋」のテロップをチェックしていたら、こんな表現が出てきました。
「意にそぐわないことをすると、飛ばされる」
うん?これは、何かがおかしいぞ。
「意に」
と来たら、言葉のつながり(コロケーション)で言えば、
「沿わない」
ですよね。「意向に沿う」か「沿わない」かです。
「そぐわない」
は似た感じの言葉ですけど、「意に」と来たときのつながり・表現としては、まさに、
「そぐわない」
感じがします。こういった語感は、一体どうやれば身につくのでしょうか?
一応、辞書を引くと(これ大事!)
*「そぐう」=(多く打消を伴って使う)似合う。そっくりつりあう(例)その場にそぐわない言動【『広辞苑』第8版】
いや、『広辞苑』さん、
「多く打消を伴って使う」
のなら、
「そぐわない」
を「見出し語」にしたほうが、使いやすいと思いますけどね。用例も「そぐわない」になってるし。
実際『新明解国語辞典』(第8版)は、「そぐう」は見出し語にはなくて、「そぐわない」を見出し語に立てています。
*「そぐわない」=いつも(その時)の状態から見て、接する人に違和感を与える様子だ(例)現状(実態)にそぐわない(=適応しない)
『明鏡国語辞典』〈第3版)も同様の見出しの立て方で、【注意】として、
『「そぐう」は釣り合う、似合うの意だが、ふつう打消しを伴わない言い方は一般的でない。』とまで記してありました。
ということで、『広辞苑』の見出しの立て方が、
「現状にそぐわない」
感じがしたのでした。
(2021、12、9)


