12月9日、東大阪市の近鉄奈良線の踏切内で、立ち往生した「電動車いす」に乗った69歳とみられる男性が、電車に轢かれて死亡しました。
この「電動車いす」の表現が、翌日12月10日の新聞各紙で微妙に違いました。
【見出し】 【本文】
(読売)シニアカー男性 ハンドル付きの電動車いす(シニアカー)
(朝日)車いす男性 シニアカー(電動車いす)
(毎日)車椅子男性 電動車いす(シニアカー)
(産経)シニアカー男性 シニアカー(ハンドル型電動車いす)
(日経)電動車いす男性 シニアカー(電動車いす)
この「電動車いす」というのは、「読売新聞」と「産経新聞」の記述を見ますと、これまで見てきた「電動」の「車いす」ではなく、
「ハンドルが付いている、電動の三輪車」
のようなもののようです。だとすると単なる「電動車いす」と表記すると、ちょっとイメージが変わってしまいます。
これに関係しては、もうずいぶん昔の話になりますが、「2001年5月」に開かれた「新聞用語懇談会」で、
「セニアカー」
という言葉が取り上げられ、在阪放送局の委員から、
「89歳の男性が、電動車いすに乗っていて犬に襲われて死亡した事件で、あれはどう見てもいわゆる『電動車いす』ではなく『電動三輪車』と呼ぶべきものだったが(商品名としては、セニアカー、ラプータ、マイシャトルなどがあるそうだ)道路交通法上は、身体障害者用の『電動車いす』に分類されるのだそうだ。警察発表が『電動車いす』だったのだろう。」
という意見が出されました。
それから20年がたち、高齢者の数も増えて、こういった「シニアカー」もたくさん使われることで、事故も増えて来たということでしょうか。しかしその「一般名称」は、
「まだ定まっていない」
というのが現状のようです


