「平成ことば事情6164インスタントコーヒーとソリュブルコーヒー」の続きです。
11月28日、歌舞伎俳優で人間国宝の中村吉右衛門さんが亡くなりました、77歳でした。3月の舞台の千秋楽を前にして食事中に倒れ、療養中でした。
「中村吉右衛門さん」
というと思い出すのは、「ネスカフェ・ゴールドブレンド」のコマーシャルです。1972年でしたか、あの
♪ダバダー・ダーダー・ダバダー・ダバダー
というスキャットと共に、
「違いのわかる男のゴールドブレンド」
ってフレーズ、カッコ良かったな。「大人」だと思いました。でもこれも「ジェンダー」的な問題などにも配慮したのか、その後、
「上質を知る人の」
「違いを楽しむ人の」
と変わって、また2010年には、
「違いの分かる男の」
に戻ったものの、ここ10年は例の「♪ダバダ」の音楽と共に封印されていました。
それが今年秋、元「TOKIO」のメンバー3人が出演して復活したのです。
「♪ダバダ」をやめた背景には、
「コーヒーの製法が変わった」
ことがあるそうです。2013年に、従来の製法から、
「レギュラーソリュブルコーヒー」
つまり、
「粉砕した焙煎コーヒー豆を独自のコーヒー抽出液と混ぜて乾燥させたもの」
転換したそうです。それで、
「これまでの『インスタントコーヒー』のイメージを払拭したい」
という思いで、長年なじんできた音楽を使わなくなり、
「脱インスタントコーヒー宣言」
をしたということのようです。
でもまた「♪ダバダー」に戻ったというのは、なぜでしょうね?
「ソリュブルコーヒー」も定着したとの判断でしょうか?
ちなみにこの曲の作曲者は、日本小ジャズ音楽界の巨匠、
「故・八木正生さん」
なのだそうです。八木正生さんと言うと、「初期のサザン・オールスターズ」にも大きな影響を与えた作曲家ですよね!曲の中で名前も出て来ます。「♪ダバダー」の作曲者だとは知らなかった!こんなふうに、知らずに聞いている曲、多いんだろうなあ。


