8208「高学歴と最高学府」

2021 . 10 . 15

8208

 

 

「高学歴」

という言葉の意味は、もともと、

「大学あるいは大学院卒」

を指しました。また、

「最高学府」

という言葉も、

「大学」

を指しました。しかし最近は、

「高学歴」=偏差値の高い大学卒

「最高学府」=偏差値の高い大学、特に「東大」など

を指して使われることがあります。

その原因を考えてみました。

ま、考えるまでもなく、すぐに皆さん思いつくでしょう。これは、

「大学進学率の上昇と、大学数の増加と少子化が原因」

だと思われます。

「大学進学率」は、1950年代から60年代が「10%」を下回っていましたから、

「大学へ行くこと=高学歴」

であったのですが、2020年の大学進学率は、

「55%」

つまり、

「半数以上が大学へ行く」

のですから、もはや「高学歴」とは言えません。

その一方で大学の数は増えて、「子どもの数=受験生の数」は減っていますから。大学は、

「広き門」

となり、大学を選ばなければ、

「誰でも入れる」

ようになっています。そんな中でもやっぱり、偏差値の高い、入学が難しい大学は依然としてありますから、そういう所を指して、

「最高学府」

と呼び、その「最高学府」を出ている人を、

「高学歴」

と呼ぶのでしょう。言葉は同じでも、その意味するところは、時代と共に移り変わってきているということでしょうね。

 

(2021、10、15)