8207「サステナブル」

2021 . 10 . 15

8207

 

 

10月6日の「ミヤネ屋」「240ニュース」で出てきた、

「髙島屋でサステナブル衣料品販売」

のニュース。

「持続可能な」

という意味の、

「サステナブル」

ですが、「カタカナ表記」は定まっていません。この日は日テレの原稿通りにしました。

しかし実は、

「サステイナブル」「サスティナブル」「サステーナブル」

などの表記もあります。また、「持続可能“性”」という意味では、

「サステイナビリティー」「サステナビリティー」「サスティナビリティー」

という表記も見かけます。

去年11月の用語懇談会で議題に上りました。そのときの新聞・通信各社の意見は、

決まりはない」

という社がほとんどで、で唯一、決めていたのは産経新聞。

(産経東京)ハンドブックでは「サステナビリティ―」が掲載されており、これに従えば「サステナブル」になる。

201411日~202011日までで「サステナブル」20件、「サステイナブル」が13件。「テイ」は最新が1年以上前なので、「テ」が優勢。

他社の使用実態は、

(朝日東京)「サステイナブル」「サステイナビリティー」を使うよう促している。

(毎日東京)過去記事は「サステナブル/サステナビリティー」が主流。

(読売東京)過去10年の使用状況は「サステイナブル」37件、「サステナブル」43件、「サスティナブル」14件、「サステイナビリティー」18件、「サステナビリティー」21件、「サスティナビリティー」1件だった。

(日経)使用実態として「サステナブル」「サステナビリティー」に統一されつつある。

(東京新聞)過去記事では「サステナブル」48件、「サステナビリティー」7件、「サステイナブル」52件、「サステイナビリティー」8件とほぼ半々。最近は「サステナブル」を使うことが多い。

(読売大阪)紙面上「サステナブル」が主流だが「サステイナブル」も多い。

(神奈川新聞)「サステイナブル」「サステナブル」「サスティナブル」のいずれも使われている。過去の原稿では「サスティナブル」「サステナブル」が多数を占めた。

(福井新聞)データベース検索では「サステイナブル」29件、「サステナブル」27件、「サスティナブル」20件。ただ「サステイナビリティー」は、「サステナビリティー」に統一されていて、「サステイナビリティー」0件、「サステナビリティー」7件、「サスティナビリティー」1件となっていた。今のところ社内で議論になっていない。

(山陽新聞)混在しているが「サスティナブル」が最も多く、次いで「サステナブル」。「サステイナブル」は少ない。

(中国新聞)「サステナブル」と「サステナビリティー」を使用している。

(西日本新聞)データベースでは「サステナブル」が23件、「サステイナブル」が14件と混在。「サスティナブル」も14件。

(読売西部)固有名詞も入っているので参考までだが、過去30年で「サステイナブル」96件、「サステナブル」92件。「サステイナビリティー」24件、「サステナビリティ―」28件でいずれも拮抗している。

(共同通信)「サステイナブル」はよく見かけるが、表記ルールはない。

(時事通信)「サステナブル」「サステナビリティー」と表記している。

また、テレビ各社も「決めていない」社がほとんどで、

(日本テレビ)原音に近いのは「サステイナブル」だと思うが、統一はしていない。「SDGs」の説明では「持続可能な」とテロップを出すことが多く、「サステイナブル」の登場はあまりない。

(フジテレビ)原稿検索では、数は少ないが「サステイナブル」で出稿している。「サステナビリティー」と出稿があったが「サステイナビリティーではないか」との意見が出て変更した例があった。

(テレビ朝日)過去の原稿では、取材対象者の発言としてカギカッコの中などで「サステナブル」と表記するケースが多くなっている。

(テレビ東京)原稿システムでは「サスティナブル」5件、「サステナブル」17件と「サステナブル」が優勢だった。

(朝日放送)使用しない。「持続可能な」と言い換える。

(毎日放送)「サステナブル」「サステナビリティー」と「イ」「ィ」を入れていない表記・読みが多いと思う。「SDGs」の話をするときは「持続可能な」と日本語で説明している。

(ytv)「持続可能な」と日本語で書くことのほうが多いと思う。「サステイナブル」「サステナブル」「サスティナブル」はほとんど出て来ない。一般用語として扱う場合は、日本語で「持続可能な」にすると思う。「サステイナビリティー」は、後ろに日本語で意味を付けて使うかもしれない。その場合は「サステナビリティー」とし、「サスティナビリティー」とはしないと思うが、あまり出て来ない。

ということでした。

 

(2021、10、12)