関西人にとっては、何の迷いもなく「頭高アクセント」で、
「キ\ノカワ」
です。しかし、お昼のニュースでは、在阪他局3年目の東京出身の女性アナウンサーは、何と「平板アクセント」で、
「キ/ノカワ」
と読んでいて、びっくりしました。
うちの中村秀香アナウンサーは、
「キ\ノカワ」
と読んでいて、安心しました。中継の報道記者は、「の」が高い「中高アクセント」で
「キ/ノ\カワ」
でしたが、まあこれは「許容」かなあ。
『NHK日本語アクセント新辞典』は「地名のアクセント」もたくさん載せていて、特に地元と標準語アクセント違うものは「両方」載せています。
引いてみたら案の定、最初に「の」が高い「中高アクセント」の
「キ/ノ\カワ」
が載っていて、次に「頭高アクセント」の、
「キ\ノカワ」
が載っていました。「平板アクセント」は載っていませんでした。
元々、和歌山は「木」が多いので「木国(キノクニ)」と呼ばれていました。関西では今でも「手」「目」「歯」などを「テー」「メー」「ハー」と「一文字を延ばす傾向」があるので、当時も「キーノクニ」と言っていたともいわれますが、和銅6年(713年)に、「雅字(縁起の良い漢字)二文字で国名をあらわすように」という天皇の命令(詔=みことのり)が出て、「紀伊」という文字を当てたとも言われています。
つまり「紀の川」は語源をたどると「紀伊の川」であり「木の川」でもあるのですね。
その和歌山県出身の作家・有吉佐和子の作品に、その名もズバリ『紀ノ川』というものがあります。
(2021、10、4)


