帯には「天才だけが知る若き天才の秘密」とある。谷川さんも紛れもなく「天才」。その谷川さんが、新たな現れた数十年に一度の天才・藤井二冠について語るのは、将棋にそれほど関心がなくても興味深い。
藤井二冠のスゴさを表している中でも、「勝率」に関して書かれた部分は、
「天才のみが気付く、天才のスゴさ」
だと思った。つまり、
「勝率八割の世界と、勝率八割三分~五分の世界は、まったくと言っていいほど違う」
ということだ。(38ページ)具体的には、
「勝率8割」=「4勝1敗」
だが、
「5勝1敗」=「勝率8割3分3厘」
「6勝1敗」=「勝率8割5分7厘」
ということ。そして、藤井二冠のプロ入り以来の勝率は、
2017年度=「勝率8割3分6厘」
2018年度=「勝率8割4分9厘」
2019年度=「勝率8割1分5厘」
2020年度=「勝率8割4分6厘」
なのである。
超一流のプロは「4勝1敗」だが、それを超えるような「スーパー超一流」の勝率を、藤井二冠はプロ入り以来続けているということだ。相手もどんどん強くなってきているにもかかわらず、である。もうこれを見ただけで「ほえー」となってしまったのでした。
(2021、7、29読了)


