読売テレビ7月7日お昼のニュースを見ていたら、大阪・四條畷市の汚職事件のニュースで、インタビューに答えた業者が、
「賄賂ではない。お花をもらったから、そのお返しに、そこにあったものを『持っていき』と言った」
とテロップが出ていました。しかし、この老人の言葉は私には、
「持っていき」
ではなく、
「持っていに」
に聞こえたのです。「いき」は「行き」ですが、「いに」は、
「去(い)に」
です。もう「古語」ですね。子どもの頃、祖父母やその世代の人たち(今、生きていたら、110歳から120歳ぐらいか)が使っているのを、よく耳にしました。終止形は、
「去(い)ぬ」
意味は、
「去る」
「イヌ」なのに「サル」です。
そして「去(い)に」というのは、
「去(い)になさい」=「帰りなさい」
という意味なので、つまりは、
「持って帰りなさい」
で、結局、
「持って行きなさい」
と意味は同じになってしまうのですね。それなら、
「持っていき」
というテロップのほうが、説明が要らない分、いいのかなあと思ったのでした。
そういえば「月日が経つのが早い」こと、特に「年初めの1月から3月」について、
「1月は去(い)ぬ、2月は逃げる、3月は去る」
と覚えた気がするのですが、他の人は「1月」に関して、
「1月は行く」
と言っているような。だとすると、やはり、
「去(い)ぬ」=「行く」
でOKなのかな。
(2021、7、7)


