8128「持っていに」

2021 . 7 . 8

8128

 

読売テレビ7月7日お昼のニュースを見ていたら、大阪・四條畷市の汚職事件のニュースで、インタビューに答えた業者が、

「賄賂ではない。お花をもらったから、そのお返しに、そこにあったものを『持っていき』と言った」

とテロップが出ていました。しかし、この老人の言葉は私には、

「持っていき」

ではなく、

「持っていに」

に聞こえたのです。「いき」は「行き」ですが、「いに」は、

「去(い)に」

です。もう「古語」ですね。子どもの頃、祖父母やその世代の人たち(今、生きていたら、110歳から120歳ぐらいか)が使っているのを、よく耳にしました。終止形は、

「去(い)ぬ」

意味は、

「去る」

「イヌ」なのに「サル」です。

そして「去(い)に」というのは、

「去(い)になさい」=「帰りなさい」

という意味なので、つまりは、

「持って帰りなさい」

で、結局、

「持って行きなさい」

と意味は同じになってしまうのですね。それなら、

「持っていき」

というテロップのほうが、説明が要らない分、いいのかなあと思ったのでした。

そういえば「月日が経つのが早い」こと、特に「年初めの1月から3月」について、

「1月は去(い)ぬ、2月は逃げる、3月は去る」

と覚えた気がするのですが、他の人は「1月」に関して、

「1月は行く」

と言っているような。だとすると、やはり、

「去(い)ぬ」=「行く」

OKなのかな。

 

(2021、7、7)